ついたいこっせつ

椎体骨折

同義語
脊椎椎体骨折,脊椎骨折
最終更新日:
2024年10月15日
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2024/10/15
更新しました
2017/04/25
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概要

椎体骨折とは、背骨(脊椎(せきつい))の前方(お腹の側)にある、もっとも体重のかかる部分である“椎体(円柱状の骨)”に生じる骨折の総称です。

椎体骨折の原因には、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)転移性骨腫瘍(てんいせいこつしゅよう)外傷などがあります。椎体骨折を生じると、腰や背中の痛みを自覚しますが、痛みが軽度なこともあり、気付かずに放置されているケースも少なくありません。

治療は、胸骨まで覆う硬性コルセットや軟性コルセット、場合によってはギプスなどで患部を固定して安静を維持します。重症度によっては手術が必要になることがあります。

原因

椎体骨折の原因の多くは骨粗鬆症によって骨が脆くなることです。骨粗鬆症の方は尻もちなどの些細な外力が加わっただけで骨折するリスクが高くなります。

また、背骨はがんが転移しやすい部位といわれています。がんが背骨に転移することでも、骨が脆くなって些細な外力で椎体骨折を生じることがあります。そのほか、交通事故や転落などの外傷によって非常に強い外力が加わった場合に生じることがあります。

症状

腰や背中に痛みが出ることが多いですが、原因によって症状の現れ方が異なります。

骨粗鬆症による椎体骨折の場合は胸椎と腰椎の境目の部位(胸腰移行部)に生じることが多く、尻もちや転倒などの外力が加わって骨折が引き起こされると患部に痛みが生じます。しかし、痛みは軽度なケースもあり発症に気付かないことも少なくありません。また、いくつかの部位に椎体骨折が生じるケースもあり、背中が丸くなったり身長が低くなったりする原因となります。

がんの転移による椎体骨折の場合は、安静にしていても痛みが生じます。交通事故などの強い外力による椎体骨折の場合は、椎体を激しく損傷し脊髄(せきずい)にダメージを受けると、神経麻痺などを引き起こすことがあるため注意が必要です。

検査・診断

椎体骨折が疑われるときは、以下のような検査が必要です。

画像検査

椎体骨折の診断ではX線、CT、MRIなどの画像検査を行います。特に脊髄損傷などが疑われる場合はCTやMRI検査が行われ、がんの転移による骨折が疑われる場合には骨シンチグラフィーなどの画像検査も行われます。

骨密度検査

骨粗鬆症が疑われる場合には骨密度検査を行い、骨に含まれるカルシウムの量を調べます。

血液検査

がんの転移が疑われる場合には、転移のもととなるがんを探すためのCT検査や、腫瘍マーカーを測定するための血液検査が行われます。また、骨粗鬆症による椎体骨折の場合も骨の代謝の状態を評価するために血液検査を行います。

腫瘍マーカー:がん細胞によりつくられる物質。がんが生じた臓器やがんの種類によって特徴がある。

治療

椎体骨折では基本的に、胸骨まで覆う硬性コルセットや軟性コルセット、場合によってはギプスなどで患部を固定し、安静にして症状が改善するのを待つ保存的治療が行われます。

交通事故などの強い外力により椎体だけでなく脊髄も損傷した場合は手術が行われます。また、椎体の変形や折れた骨などにより脊髄が圧迫されている場合や痛みが引かない場合にも、手術が検討されます。

骨粗鬆症がんの転移などの病気が原因の場合は、骨折自体の治療に加え、原因となる病気の治療も同時に行います。具体的には、骨粗鬆症に対する薬物療法、がんに対する化学療法(抗がん薬治療)や放射線療法などが挙げられます。

予防

椎体骨折の原因となる骨粗鬆症がんの転移の適切な治療を行うことが発症リスクを抑えることにつながります。自分の健康状態を把握し、病気が発見された場合は医師の指示に従って検査や治療を受けるようにしましょう。

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