治療
皮膚筋炎の治療は薬物療法が中心となります。主に経口ステロイドを使用し、一般的には中~高用量ステロイド療法を2週間ほど行います。はじめは大量服用が必要ですが、病気の回復を見ながら2~3か月かけて徐々に一定の量にまで減量していきます。
ステロイドの使用量や期間を低減するため、メトトレキサート、アザチオプリンなどの免疫抑制薬を用いることもあります。皮膚症状のみの場合は、ステロイドやタクロリムス外用による局所治療が優先されます。
また、筋力低下の更なる改善を目的に点滴静注による免疫グロブリン大量療法を行うこともあります。間質性肺疾患では急速に悪化すると命に関わることもあるため、早急な治療が必要となり、ステロイドや免疫抑制薬(タクロリムス、シクロホスファミドなど)を用いて治療を行う場合もあります。
筋炎に伴う筋力低下が見られた場合には、薬物療法とともに早期からのリハビリテーションが重要な治療です。リハビリの開始時期やその運動強度は患者さんによって異なりますが、リハビリにより筋肉の炎症を抑える効果や筋肉内のエネルギーを産生するミトコンドリアの機能が改善することが分かってきたため、最近では、早期より病状に応じたリハビリを導入していくことが重要であると考えられています。
医師の方へ
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
【第119回日本内科学会レポート】膠原病における間質性肺疾患(ILD)診断・治療のポイント――全身性強皮症や多発性筋炎/皮膚筋炎での特徴とは(6800字)
膠原病はT2T(treat to target:目標達成に向けた治療)という考え方が普及し、予後が飛躍的に改善している。しかし、いまだ難治性の病態もいくつか残されており、その代表が「間質性肺疾患(ILD)」だ。特に全身性強皮症(SSc)や多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)においては死因の3分の1以上
【第120回皮膚科学会レポート】急速進行性間質性肺疾患の早期診断に重要な皮膚所見(3100字)
抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎では特徴的な皮疹がみられる。また、治療抵抗性・予後不良の急速進行性間質性肺疾患(rapidly progressive fibrosing interstitial lung disease:RP-ILD)を併発することが知られており、早期に診断することが重要となる。大阪大
「皮膚筋炎」を登録すると、新着の情報をお知らせします