一口に多発性筋炎や皮膚筋炎といっても、それぞれの患者さんの体質などによって寛解(かんかい:全治とまではいえないが、病状が治まっておだやかであること)への経過や、生活における注意事項は異なります。しかし、生命に別状なく寛解するケースが多い病気です。ここでは患者さんが心がけるべきことについて、和歌山県立医科大学 神経内科学講座准教授の村田顕也先生からアドバイスをいただきました。
炎症性筋疾患のうち、その他の合併症を持たず、病変が骨格筋のみの場合はステロイドなどの免疫抑制剤を使用しないで経過観察することも可能です。寛解にいたる方は約2年でステロイドの服用をやめることができています。
多発性筋炎や皮膚筋炎全体で見た場合でも、適切な治療をすれば約7~8割の患者さんが寛解を保ち、良い状態での生活が送れているといわれています。
といいましても、がんなどの悪性腫瘍は、皮膚筋炎で合併しやすいといわれています。治療を行ってから見つかるケースもあるので、治療後は悪性腫瘍への注意も必要です。
寛解に至る過程で、もともと糖尿病や骨粗しょう症になりやすい可能性のある患者さんは、そのような二次的な病気が起こらないように気をつけないといけません。
糖尿病の場合、特にステロイドによって症状が体に如実に現れることが多いですから、ふだんから甘いものは控えたり食べすぎたりしないことが大切です。
また飲み込む力が弱くなっている方は、誤嚥(ごえん:食物などが誤って喉頭と気管に入ってしまう状態)に注意する必要があります。
安静にすることが重要だともいわれますが、運動をてはいけないということではありません。運動をしないと骨がもろくなり、筋肉が痩せてしまう原因にもなります。医師に経過や検査の数値をみてもらいながら、筋肉痛が残らないことを目安にしてもよいかと思います。ただし、筋疾患でリハビリをどの程度まで行えば効果があるのかといった実証データが、現時点ではないのも実情です。私が診察しているのは神経内科にいらっしゃる患者さんなので、膠原病などの専門医が診てらっしゃるケースよりは症状は軽いかもしれません。
病気の後遺症で筋力の完全な回復が難しく、家の中での移動が今までのようにできなくなる方もいらっしゃるかと思います。その場合は、例えばご自宅に手すりなどを設置するのも、快適に自宅で生活する方法のひとつではないでしょうか。
和歌山県立医科大学 教育研究開発センター 教授
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