治療
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、重症度によって次のような治療が行われます。
経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)
睡眠ポリグラフ検査で睡眠時1時間あたり無呼吸や低呼吸になった回数が20回以上で、なおかつ日中に眠気などを自覚しているケースでは、睡眠中にマスクから強制的に空気を送り込んで狭くなった気道を広げる“経鼻的持続陽圧呼吸療法”が行われます。この治療を行うことで、心筋梗塞や脳卒中などを発症する危険性を通常と同程度まで低下させることが分かっているため、全国的にも広く行われています。
マウスピース装着
顎が小さい、舌が大きいなどの原因で睡眠時無呼吸症候群を発症している場合は、下顎を前方へ移動させるようなマウスピースの装着が行われることがあります。
手術
小児などに多いアデノイドや扁桃肥大、鼻中隔彎曲症などの器質的な異常が原因となっている場合は、扁桃摘出術などその原因を改善するための手術が行われることも少なくありません。
また、肥満などによって気道が狭くなっているケースでは、口蓋垂など喉の一部を切除する“口蓋垂軟口蓋咽頭形成術”が行われることもありますが、手術後に副症状(患部の狭窄*や傷あと)が出現するなどの報告もあり、あまり推奨はされていません。
*狭窄:鼻腔などの空間が細くなり、狭くなること
生活指導
睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満によるものであるため、たとえCPAP療法などを行っていたとしても、減量を目指した食生活の改善や運動習慣の定着などの生活指導が行われるのが一般的です。
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