原因
突発性難聴は、内耳の内部にある有毛細胞(音の振動を電気信号に変換して脳に伝える細胞)が何らかの原因によって直接または間接的に障害を受けたり、有毛細胞と蝸牛神経の神経細胞をつなぐシナプスが障害を受けたりすることなどで生じます。
有毛細胞の機能が障害を受ける原因はまだ明らかになっていませんが、これまでの研究から、内耳に血液を送る血管の血流障害や、ウイルス感染が有力な説として考えられています。
血管の血流障害として出血や血栓、塞栓、血管攣縮などが挙げられますが、これらの病態は高齢になるほど起こりやすいものです。しかし、突発性難聴は若い人にもみられることから、出血や血栓、塞栓などによる血流障害以外の原因も考える必要があります。
また、かぜに続いて突発性難聴が生じる例が一定数報告されているため、かぜを引き起こすウイルスによる内耳の炎症が原因になる可能性も考えられますが、現在のところ突発性難聴の原因となるウイルスは特定されていません。
そのほか、過労やストレス、睡眠不足などの生活習慣や、高血圧症や糖尿病などの基礎疾患が発症に関わっているともいわれています。
参考文献
- 一般社団法人 日本聴覚医学会.急性感音難聴診療の手引き2018年版.金原出版.2018.152p
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