症状
手足の筋力低下から始まることが一般的です。手の筋力が低下するとペットボトルの蓋が開けにくい、髪を洗うときに腕を挙げにくいなどの症状がみられ、足の筋力が低下すると階段の昇り降りが難しくなったり、椅子から立ち上がりにくくなったりします。
喉や舌の筋肉が上手く動かなくなると、喋りにくくなり(構音障害)、水や食べ物も上手く飲み込めなくなります(嚥下障害)。よだれや痰が増えることもあるほか、嚥下障害によって肺炎を起こす場合もあります(誤嚥性肺炎)。また、約20%の患者に認知症がみられます。
呼吸をするのに必要な呼吸筋は脳からの指令によって動いているため、指令が伝わらなくなると筋肉が弱まり十分に呼吸ができなくなります。
筋萎縮性側索硬化症は進行性の病気であるため、症状が軽くなることはありません。徐々に症状が重くなっていき、いずれ呼吸不全となって人工呼吸器が必要になります。その一方で、進行しても視力や聴力、内臓機能、体の感覚などほかの機能に異常をきたすことは通常ありません。
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