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きんいしゅくせいそくさくこうかしょう

筋萎縮性側索硬化症

同義語
ALS
最終更新日
2021年09月24日
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2021/09/24
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)とは、体を動かすのに必要な筋肉が徐々にやせていき、力が弱くなって思うように動かせなくなる病気です。

日本における患者数は約1万人とされ、男女比は1.2~1.3:1とやや男性に多い傾向にあります。中年以降に発症することがほとんどで、特に60~70歳代に多くみられます。

筋力の低下が主な症状ですが、筋肉の病気ではなく、筋肉を動かしている脳や脊髄(せきずい)の神経(運動ニューロン)がダメージを受けることで発症します。脳から筋肉に指令が伝わらなくなることで手足や喉、舌の筋肉や呼吸筋が徐々にやせていきます。

筋肉がやせると体を上手く動かすことができず、呼吸筋が弱まると呼吸困難に陥り人工呼吸器が必要になります。一般的に症状の進行は速く、個人差は非常に大きいですが、人工呼吸器を使用しなければ発症から2~5年で死に至ることが多いといわれています。

現在では筋萎縮性側索硬化症の根本的な治療法はなく、症状に応じた適切な処置が行われます。

原因

筋萎縮性側索硬化症の原因はまだはっきりと分かっていませんが、神経の老化が関係していると考えられています。

多くの場合この病気は遺伝しませんが、全体の約5%に家族内での遺伝性の発症がみられます。家族内で発症するものを家族性筋萎縮性側索硬化症といい、両親のいずれか、もしくはその兄弟や祖父母などに同じ病気の人がいる場合がほとんどです。

家族性筋萎縮性側索硬化症では、患者の約20%に酵素の1種であるスーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD1)の遺伝子異常が見つかっています。

症状

手足の筋力低下から始まることが多く、手の筋肉が低下するとペットボトルの蓋が開けにくい、髪を洗うときに腕を挙げにくいなどの症状がみられ、足の筋肉が低下すると階段の昇り降りが難しくなったり、椅子から立ち上がりにくくなったりします。

喉や舌の筋肉が上手く動かなくなると、喋りにくくなり(構音障害)、水や食べ物も上手く飲み込めなくなります(嚥下(えんげ)障害)。よだれや(たん)が増えることもあるほか、嚥下障害によって肺炎を起こす場合もあります(誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん))。また、約20%の患者に認知症がみられます。

呼吸をするのに必要な呼吸筋も脳からの指令によって動いているため、指令が伝わらなくなると筋肉が弱まり十分に呼吸ができなくなります。

筋萎縮性側索硬化症は進行性の病気であるため、症状が軽くなることはありません。徐々に症状が重くなっていき、いずれ呼吸不全となって人工呼吸器が必要になります。その一方で、進行しても視力や聴力、内臓機能、体の感覚などほかの機能に異常をきたすことは通常ありません。

検査・診断

筋萎縮性側索硬化症は、運動ニューロン障害の存在、症状の進行性、ほかの病気を除外することによって診断されます。このため、画像検査(X線検査・MRI検査など)や、電気生理学的検査(神経伝導検査・針筋電図など)、髄液検査などを行い、これらの結果から総合的に評価します。

また、各機能の障害の状態を確認するために、嚥下造影検査や呼吸機能検査、血液ガス検査も行われ、認知症の合併が疑われる場合には神経心理検査なども行われます。

治療

現在のところ、筋萎縮性側索硬化症を根本的に治す治療法はありません。そのため、筋萎縮性側索硬化症の進行を遅らせる効果が期待できるリルゾール(内服薬)やエダラボン(点滴薬)という薬を使用します。

また、体が思うように動かないことや、病気に対する不安などによって睡眠障害が起こることがあります。この場合には睡眠薬や抗不安薬が処方されます。

筋肉や関節の痛みがある場合には必要に応じてリハビリテーションが行われるほか、QOL(生活の質)を維持するために、構音障害に対しては新たなコミュニケーション手段の習得、嚥下障害に対しては飲み込みやすい食事の工夫など、家族の協力も必要になります。

また、嚥下障害が進行した場合には、胃に管を通して栄養を直接注入する(胃ろう)、鼻から管を入れて流動食を補給する(経鼻胃管)、点滴で栄養補給をするなどの処置が検討されます。

呼吸不全が進めば、人工呼吸器の導入を検討します。人工呼吸器には、鼻マスクによる非侵襲的陽圧換気(NPPV)と気管切開下陽圧換気(TPPV)があります。換気効率はTPPVが優れますが、患者への負担は大きく(侵襲的)、現状では導入すると取り外しは困難です。

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