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インタビュー

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の症状

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の症状
加藤 宏之 先生

国際医療福祉大学病院 教授/神経内科部長/同 神経難病センター長

加藤 宏之 先生

ALSは、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方が障害されることが特徴です。運動神経が障害されると呼吸や歩行が困難になり、自発的に生きることを阻害されてしまいます。国際医療福祉大学神経内科の加藤宏之先生にALSの症状についてお話をうかがいます。

通常、下位運動ニューロンが障害されれば筋肉が痩せて力が入らなくなり、痩せた筋肉にクランプという症状や筋線維束収縮が起こります。クランプとは、神経が障害された筋肉が痛みを伴ってつってしまう状態で、筋線維束収縮は筋肉がピクピクと動いてしまう状態です。また、この場合に伴う痛みは体を動かさないことによって起こるもので、ALSそのものが感覚神経に働きかけて痛みを発生させることはありません。

さらに、上位運動ニューロンが障害されると、腱反射が亢進したりバビンスキー反射※が見られることがあります。ALSはこの上位運動ニューロンと下位運動ニューロン2つの症状が組み合わさっていることが特徴です。その結果として、徐々に筋肉が痩せて力が入らなくなり、さまざまなことが少しずつできなくなっていきます。ほとんどの場合、手の症状がもっとも早く現れますが、口の症状がもっとも早く現れるケース、足の症状がもっとも早く現れるケースなど、症状の現れ方は患者さんそれぞれに異なります。また、運動ニューロンの働きがどんなに障害されても意識ははっきりしており、精神的な働きはまったく障害されないこともALSの大きな特徴です。

※バビンスキー反射・・・足の裏をかかとから指先に向かってこすりあげると、足の親指が反るようにゆっくりと曲がるか、親指以外のほかの4本が開く現象。

自発的に呼吸ができない場合、人工呼吸器を使う必要があります。口からものが食べられない場合、胃ろう(腹壁から胃にチューブを入れて胃に直接栄養を送る)を使って栄養を補う必要があります。喉の筋肉が動かなくなると、誤嚥して肺炎になってしまいます。このように、「体が動かない」ことそのものが生きることを阻害するわけではありませんが、ALSが引き起こす筋肉が動かなくなるという症状が間接的に生きることを阻害してしまいます。

ですから、ALSは進行すると多くの方が寝たきりになってしまいます。寝たきりの状態では合併症が起きる可能性が高いため、病気でない極めて健康な方と比較すると同じだけの時間を生きるのは非常に難しいことといえます。ただし、人工呼吸器に切り替わってからも体調や装置の管理などが極めて優れていたケースにおいて、10年生存することもあります。

人工呼吸器や胃ろうを行うかどうかは原則としてご本人の意思が最優先されます。難しい決断になりますが、人工呼吸器をつける方は当院では3割程度、胃ろうは8割程度となっています。

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    加藤 宏之 先生

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