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糖尿病性ニューロパチー

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

糖尿病性ニューロパチーとは、糖尿病により発症する末梢神経障害のことを指します。腎臓や網膜の病変に加えて、糖尿病の三大合併症のひとつとして知られています。

糖尿病性ニューロパチー発症初期には、手足にしびれやピリピリした痛みなどの感覚異常が生じます。徐々に感覚が失われて、足の壊死などの重篤な事態を招くこともあります。

糖尿病初期の段階では自覚症状に乏しいこともあり、医療機関受診を辞めてしまう方も多いですが、継続して診療を受けることは重要です。

原因

糖尿病性ニューロパチーは糖尿病により発症しますが、詳細な発症様式については多くの要因が複雑に関与していると考えられています。

糖尿病により高血糖状態が持続すると、ソルビトールと呼ばれる物質が神経線維内に蓄積します。また、糖尿病が進行すると動脈硬化が進み、特に神経を栄養するような細い血管が障害を受けます。

こうした状態が長期間続くと、末梢神経への酸素や栄養の供給が不十分になり、末梢神経がダメージを受けることになります。

症状

手足の末梢神経が左右対称性に障害されます。神経障害が手袋や靴下を履いた場所と一致して生じることから、手袋靴下型とも表現されます。初期段階では、足指や足裏に感覚異常(しびれ、ピリピリした痛みなど)が生じ、進行すると手にも同様の症状が出現します。

感覚障害は徐々に進行するため、脚などの壊死や急性心筋梗塞などの重篤な病気を生じても、なかなか気づかないことがあります。

脳神経の一種である動眼神経や外転神経が障害を受けると、目が閉じてしまう、ものが二重に見える、といった症状が出現します。また、顔面神経が影響を受けたり、表情が作りにくくなったりすることがあります。

自律神経系に影響が及ぶと、便秘や下痢、起立性低血圧(立ちくらみ)、勃起障害などが出現します。

検査・診断

糖尿病性ニューロパチーの診断では、症状の確認や身体診察などが重要になります。身体診察では、痛みや振動などがきちんと感じられているか、といったことを確認します。

また、自律神経系を評価するための心拍変動検査や、神経の電気的な活動が正常であるか確認するための神経伝導検査を行います。併せて、糖尿病の状態を確認するために、血液検査でHbA1cを調べます。

これらの検査は、診断をつけるだけでなく、病状の進展や治療の成果などを確認する意味でも重視されています。

治療

糖尿病性ニューロパチーでは、糖尿病の適切なコントロールが求められます。これに関連して、禁酒・禁煙など生活習慣の是正、高血圧や高脂血症などに対する治療などが行われます。糖尿病性ニューロパチーに対しては、下記のような治療が行われます。

薬物療法

アルドース還元酵素阻害薬の使用が検討されます。これは、血糖コントロールが良好な状況で早期に使用することで、神経機能の改善が期待できる薬です。

対症療法

糖尿病性ニューロパチーが進行している場合、痛みや自律神経障害などへの対症療法が行われます。

痛み

アミトリプチリン、デュロキセチン、プレガバリン、オピオイド製剤などが使用されます。

自律神経障害

便秘や下痢などを起こしていれば食事内容の工夫や整腸剤の使用、起立性低血圧では下肢に血液が滞留しないよう弾性ストッキングの着用、勃起障害では薬物療法で対処します。

また、糖尿病性ニューロパチーでは足の壊疽が生じやすいです。そのため、血糖値を定期的に確認し、フットケアをすることが重要であり、足の異常に注意して生活することが大切です。

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