インタビュー

糖尿病患者さんのための靴と靴下のポイント―一次予防とフットウェア

糖尿病患者さんのための靴と靴下のポイント―一次予防とフットウェア
大平 吉夫 さん

日本フットケアサービス株式会社 代表取締役社長

大平 吉夫 さん

この記事の最終更新は2015年03月27日です。

糖尿病治療において、「フットウェア」(靴・装具)は実はとても大切な要素です。適切な靴や装具を選べるかどうかというだけで、足の傷の予防、なってしまった後の治り方、傷の再発の有無などが大きく左右されます。

糖尿病患者さんにおけるフットウェアは「一次予防→治療→二次予防」とシーンごとに役割が異なっています。(いわゆる一般的な一次予防〜三次予防の考え方とは異なるので、注意が必要です)

糖尿病のフットウェアにおける一次予防とは、「糖尿病患者で、まだ足に傷がない人に対して、この先傷ができないようにすること」をいいます。何より大切なのは適切な靴選びと靴下選びです。

それでは、糖尿病の患者さんの一次予防にいい靴とは、具体的にどのような靴でしょうか? 大きく分けて、以下の9つのポイントが挙げられます。これは糖尿病に限らず、一般的なフットウェアの話として読んでいただいても構いません。

「いい靴のポイント9つ」

  1. 長さと幅が合っている:日本には靴の幅を合わせるという文化はなく、幅の合う靴はなかなか手に入りません。このため、幅を合わせることに特に注意をはらいましょう。
  2. 縫い目がない
  3. かかとが硬い
  4. 通気性がよい
  5. 衝撃を吸収できるような靴底である
  6. つま先の高さが適切である
  7. つま先とかかとの高さの差が2-3cmである
  8. インソール(中敷き)が入っている
  9. 紐、綿ファスナー(いわゆるマジックテープのこと)などでキツさを調整できる

次に、糖尿病患者さんの一次予防にいい靴下は、大きく分けて以下の4つのポイントが挙げられます。

  1. 開口部がしまっていない:開口部がしまっていると、血流を妨げてしまいます。
  2. 縫い目がない:靴下の縫い目は傷を作ってしまう原因になります。縫い目のないシームレスと呼ばれる靴下が最適です。
  3. 蒸れにくい
  4. 細い糸で細かく縫ってある

また、5本指ソックスは血流障害にはよくないので、血流障害のある方は履かないようにしましょう。5本指ソックスの場合、足の指の間に靴下の布が2枚入ってしまうことになり、その部分の足を圧迫してしまうのです。(ただし足の血流がよく、白癬のある人は、逆に5本指ソックスがよいです)

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