症状
縦隔腫瘍は初期にはほとんど症状がありません。そのため、検診などで撮影された胸部単純レントゲン写真で偶然指摘され、診断に至ることもまれではありません。
縦隔腫瘍が大きくなると、周囲の正常組織を圧迫するようになり、さまざまな症状が出ます。たとえば以下のような症状です。
- 胸の痛み
- 顔のむくみ
- 呼吸困難
- 咳
- 痰
- 飲み込みにくさ
など
また、悪性度の高い縦隔腫瘍では縦隔以外の場所にも腫瘍が形成され(転移です)、それら遠隔臓器に関連した症状が現れます。脳であればけいれんや麻痺などが生じ、骨であれば骨の痛みなどが生じます。
縦隔腫瘍の種類によっては特殊な合併症を発症することもあります。たとえば縦隔腫瘍のなかでも頻度の高い胸腺腫では、重症筋無力症と呼ばれる疾患を合併することがあります。重症筋無力症では、手足に力が入りにくくなってしまう、疲れやすい、呼吸がうまくできない、などの症状がみられます。縦隔腫瘍では、そのほかにもシェーグレン症候群(目や口が渇くといった症状がみられる病気)、赤芽球癆(貧血による症状が現れる病気)などが生じることもあります。
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