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じゅうしょうきんむりょくしょう

重症筋無力症

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

重症筋無力症は、神経から筋肉への指令が伝わらなくなるせいで、疲れやすくなり、また力が入らなくなる病気です。重症筋無力症には、目の症状が主体である眼筋型と、全身の筋力が影響を受ける全身型の2種類があります。

患者数は日本では1,5000人強と報告されており、やや女性に多い傾向があります。年齢別では5歳未満、男性では50~60歳台、女性では30~50歳台でそれぞれ発症のピークを迎えます。

原因

重症筋無力症は、骨格筋(自発的に動かす筋肉)の神経筋接合部の受容体に対する自己抗体の誤作動により生じます。

自己免疫の標的になりやすい抗体は複数あります。神経筋接合部にはニコチン性アセチルコリン受容体が存在しており、この受容体を攻撃するアセチルコリン受容体抗体(AchR抗体)に伴う重症筋無力症が最多で、全体の85%ほどを占めると報告されています。

次に多い自己抗体は筋特異的受容体型チロシンキナーゼ抗体(MuSK抗体)で、数%を占めます。残り数%は、上記2タイプでは陽性反応を示しません。近年では、LDL受容体関連タンパク質4抗体(Lrp4抗体)と呼ばれる自己抗体の関係性にも注目が集まっています。

しかし、いずれのタイプでも、何故このような自己抗体が産生されるのか、原因やメカニズムなどは明らかになっていません。

症状

重症筋無力症では筋力低下に関連して、

  • 顔面筋力低下
  • 構音障害
  • 嚥下・咀嚼障害
  • 頸部・四肢筋力低下
  • 呼吸障害

などの症状が出るようになります。

また易疲労(疲れやすさ)も生じるため、体を動かすと諸々の症状が強くなり、しばらく休むと回復する特徴があります。午後になると疲れやすいなど日内変動を確認することが多いです。

重症筋無力症では、SLEなど他の自己免疫疾患を併発することもあるため、それらの症状が出ることもあります。また脱毛、味覚障害、易感染性などを起こしていることも多いため、QOL(生活の質)低下の原因にもなります。

重症筋無力症の方がクリーゼ(呼吸機能不全のため人工呼吸器が必要な状態)になると、誤嚥、構音障害などを伴うようになります。感染症(特に上気道・呼吸器感染症)、妊娠・出産、手術、薬剤などがクリーゼを引き起こす誘因として知られています。

検査・診断

重症筋無力症では、臨床所見、血液検査、電気生理学的検査や薬物による検査などを実施します。臨床所見では、目や全身に筋力低下に関連した症状が見られるか、症状や易疲労感に日内変動が確認します。

血液検査では、重症筋無力症と関連する自己抗体の有無を調べます。、電気生理学的検査や薬物による検査では易疲労試験、誘発筋電図検査、塩酸エドロフォニウムを用いた薬物検査などを実施します。

治療

重症筋無力症は自己免疫疾患なので、免疫に関与した治療方法が基本となります。治療方法には(1)胸腺摘除術(2)経口免疫療法(3)非経口免疫療法(4)対症療法などがあり、患者さんの状態に応じて適切なものが選択されます。

(1)胸腺摘除術

胸腺に腫瘍があると、重症筋無力症に関連する自己抗体が産生されていることがあります。そのため、自己抗体の産生場所をなくすことを目的として、胸腺腫を手術的に摘出することがあります。

(2)経口免疫療法

高容量経口副腎皮質ステロイド治療が有効とされています。ステロイド投与が長期化すると副作用の出現も懸念されるため、少量にとどめたほうがよいといわれるようになっています。その他の経口免疫療法としては、罹病期間の短い患者では免疫抑制剤(シクロスポリンのマイクロエマルジョン製剤とタクロリムス)が、より有効であると言われています。

(3)非経口免疫療法

非経口免疫療法には、ステロイドパルス療法、免疫グロブリン静脈注射療法、血液浄化療法などがあります。非経口免疫療法は、症状が急激に悪化した・クリーゼを起こしたときなどに選択・実施されることが多いです。

(4)対症療法

軽症な重症筋無力症や眼筋型の重症筋無力症の方に対して抗コリンエステラーゼ阻害薬などを使用することもあります。また眼筋型では、副腎皮質ステロイドによる免疫療法が選択されることもあります。

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