検査・診断
肛門掻痒症は、症状などを確認する問診のほか、以下のような症状が現れているか肛門の状態を確認します。
- 色素脱失……初期段階では肛門が赤く変色しますが、時間の経過とともに白っぽくなります。
- 浮腫状皮膚……皮膚がむくんで肛門周辺の皮膚がシワのように盛り上がります。イボ痔と間違われることがあります。
- 皮膚亀裂……肛門のしわに沿って皮膚が裂け、あかぎれのような状態を引き起こします。
- かき傷……皮膚を過剰にかいた跡などが確認できることがあります。
- 苔癬化……病気が長年続くと肛門周辺の皮膚が厚くなり、ゴワゴワとした状態となります。
- 色素沈着……肛門周辺の皮膚が黒っぽく変色します。
肛門掻痒症は、痔核や裂肛、痔瘻や肛門ポリープ、直腸脱、過敏性腸症候群などが原因となって発症する場合もあるため、大腸や肛門の病気がないか確認します。また、真菌などの感染がないかどうか確認するために、肛門の分泌物を採取し、培養検査を行うこともあります。
肛門にできた発疹が治りにくい場合には、パジェット病(乳房や会陰部、肛門周囲などに発生する上皮内がん)の可能性も考えられるため、肛門組織を一部採取して顕微鏡検査が行われる場合もあります。採取する際は赤みを帯びている部位の、肛門縁よりもっとも遠い部位で皮膚に皮下脂肪を付けて切除します。
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