治療
手術治療
胆嚢がんでは手術によってのみ根治を期待できます。切除できるケースについては、まず手術を行うことが基本となります。ただし、胆嚢がんの形態や進行の度合いはさまざまであり、実際に手術で切除できる割合は全体の約60~70%とされています。
胆嚢がん(あるいは胆嚢がんが疑われるポリープ)が、胆嚢壁の表面にとどまっていると考えられる場合、胆嚢のみを摘出する手術を行います*。さらに胆嚢の近くにある肝臓や胆管、リンパ節などへの転移の可能性がある場合、それらも併せて摘出する手術を行います。
胆嚢がんでは、病変の広がりに応じて切除をする範囲、臓器が大きく異なります。それに伴って術後に起こりうる合併症や回復の度合いにも違いがあるため、手術治療が選択される場合には、前もってどのような手術を行うのか主治医から十分に説明を受けておくことが大切です。
*胆嚢は肝臓でつくられた胆汁を一時的にためておくための臓器のため、胆嚢摘出術を行っても大きな支障はありません。術後に一時的に下痢などを認めることもありますが次第に体が適応していきます。
化学療法(抗がん剤治療)
病変が進行して手術で切除することができない段階の胆嚢がんの患者に対しては、化学療法(抗がん薬治療)が行われます。
ゲムシタビン塩酸塩とシスプラチンという抗がん薬の併用が標準的な治療方法となっており、最近、デュルバルマブという免疫チェックポイント阻害薬との併用療法が保険承認となりました。患者さんの全身状態や症状を考慮しながら治療を検討していきます。
放射線治療
手術で切除することができない段階の胆嚢がんで、遠隔転移がない場合に行われることがある治療です。
ただし現段階(2023年)では効果が十分に検討されておらず、標準的な治療とはいえません。痛みを和らげる目的で放射線治療を行うこともあります。
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