検査・診断
初期の段階の胆嚢がんでは症状もなく、血液検査の結果でも異常を認めることはありません。そのため、第一に行う検査は腹部超音波検査です。
腹部超音波検査
お腹の表面から超音波(エコー)を当てて胆嚢や周囲の様子を観察します。腹部超音波検査は痛みもなく簡単にできる検査として、健康診断でもよく行われています。
胆嚢の内腔に突出した腫瘤(しこり)を胆嚢ポリープと呼びます。胆嚢ポリープは超音波検査を受ける患者のうち、およそ10~20%にみられるよくある病変です。多くはコレステロールポリープという種類のもので治療不要ですが、10mm以上のポリープでは胆嚢がんである頻度が上昇します。
健診などで胆嚢ポリープが見つかった場合、その大きさや形などよってはほかの検査(CT、MRI検査など)を追加して評価します。また経過観察を行い、そのポリープが時間をかけて変化していないかどうかをチェックすることも大切です。大きなポリープ、ポリープの根本部分が広い広基性のポリープ、またポリープが急激に大きくなったり形が変化したりする場合は、胆嚢がんの可能性を考えて胆嚢摘出術を検討します。
CTスキャン検査、MRI検査、PET検査など
胆嚢がんと診断された場合、がんの広がりを確認するための検査として行います。
周りの組織にどの程度浸潤しているか、また遠くの臓器に転移があるか(遠隔転移)について見極め、治療方針を決定していきます。
超音波内視鏡検査(EUS)、内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)など
口から内視鏡を挿入して行う検査です。
内視鏡の先端に超音波のプローブを付けてお腹の内側から胆嚢付近を観察したり(EUS)、内視鏡を使って胆管にチューブを挿入して造影剤を流し胆管や胆嚢の形を調べたりします(ERC)。これらは必要に応じて行う検査です。
胆管の閉塞や狭窄に対する処置
胆嚢がんが進行して、胆汁の通る管である胆管に達して閉塞や狭窄(狭くなること)を起こした場合、胆汁の流れが滞り胆管炎という細菌感染や黄疸を起こすことがあります。肝機能障害などもきたしうるため、治療を行う前に“ドレナージ”という、たまった胆汁を消化管内や体外に排出する処置を行うことがあります。
内視鏡を使って狭くなった胆管に管やチューブを置いて流れを確保したり(胆管チューブや胆管ステント)、体外から管をいれて胆汁を外に出したり(経皮経肝胆道ドレナージ)します。胆嚢がんに対しての治療を行わない場合でも、黄疸や感染の治療を目的としてこのドレナージの処置が必要となることがあります。
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