原因
蕁麻疹は、マスト細胞を代表とする皮膚に存在する細胞から、ヒスタミンなどかゆみやむくみを誘導する成分が分泌されることで発症します。人によっては、卵や牛乳、小麦、蕎麦、甲殻類などの食物に含まれるアレルゲンがマスト細胞を活性化させることもあります。なお、特定の食物を摂取した後に運動することで蕁麻疹やアナフィラキシーが誘発される“食物依存性運動誘発アナフィラキシー”というアレルギー反応もあります。
食べ物のほか、蕁麻疹を誘発する原因としては以下が挙げられます。
- 細菌やウイルスなどによる感染症
- 抗生物質や造影剤、解熱鎮痛薬などの薬剤
- ラテックスゴムや汗、寒冷刺激、温熱刺激、日光などの刺激
- 全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群などの膠原病
- リンパ腫などの血液疾患
このほか、遺伝的な要素により生じることもあります。遺伝的な要素で発症する蕁麻疹は血管性浮腫と呼ばれる眼瞼や口まわりの粘膜の浮腫を伴うことが多いといわれています。
このように蕁麻疹を引き起こす原因は多岐にわたりますが、原因不明の場合も多くあります。
医師の方へ
蕁麻疹の概要、診断方針、治療方針をまとめて確認することができます。
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
【第51回日本皮膚免疫アレルギー学会レポート】アドレナリン性蕁麻疹の診断と治療――鑑別に難渋した症例を含めて(4500字)
コリン性蕁麻疹と類似した疾患にアドレナリン性蕁麻疹がある。しかし蕁麻疹診療ガイドライン2018や、2021年に改定されたEAACI(欧州アレルギー臨床免疫学会)のガイドラインにおいても、アドレナリン性蕁麻疹は取り上げられていない。本疾患の診断や治療はどのように行っていけばよいのだろうか。第51回日本
【第120回皮膚科学会レポート】蕁麻疹に対するオマリズマブ治療(2800字)
蕁麻疹は、掻痒を伴う浮腫性紅斑や皮疹の発生・消退を繰り返す、罹患率の高い皮膚疾患である。ヒトIgEに対するモノクローナル抗体製剤であるオマリズマブは、蕁麻疹の病型の1つである特発性の慢性蕁麻疹への治療薬として、2017年3月から保険適用となっている。広島大学大学院医系科学研究科 皮膚科学准教授 田中
「蕁麻疹」を登録すると、新着の情報をお知らせします