概要
薄毛とは、髪の毛の量が減るなどして地肌が見える状態のことをいいます。
男性ホルモンや遺伝的な影響により、髪の毛の量が減るだけではなく、毛が短く細い毛に変わり薄毛になる場合もあります。これを男性型脱毛症といいます。
また、近年では、男性だけではなく女性も薄毛に悩まされている人も多いといわれています。女性では男性とは異なり、男性ホルモンだけでは説明できない場合もあり、近年では、女性型脱毛症という病名を用いることもあります。
また、薄毛の中には内臓の病気が原因で起こるものもあるため、注意が必要です。
原因
毛が生まれてから抜けるまでのサイクルを毛周期といい、成長期、退行期、休止期の3期間からなります。個人差はありますが、休止期の毛髪が50本から100本程度ずつ脱毛していき、その後、新しい毛髪が生えてきます。何らかの原因でこのサイクルが乱れた場合に抜け毛の方が多くなり、薄毛の原因となることがあります。
薄毛の原因はさまざまですが、大きく分けると以下のようなものがあります。
男性ホルモンの影響によるもの
一般的に男性ホルモンはひげや胸毛などの毛を濃くするように作用しますが、前頭部や頭頂部においては、軟毛化(毛が短く薄くなる)を起こします。男性型脱毛症では、毛周期を繰り返す過程で成長期が短くなり、休止期にとどまる毛包が多くなるために薄毛になります。
また、男性型脱毛症では遺伝的な要因が大きいといわれています。
頭皮のトラブルによるもの
頭皮の皮脂が多い場合や、脂漏性皮膚炎などの皮膚の病気を起こしている場合も薄毛の原因となることがあります。
内臓の病気によるもの
慢性甲状腺炎などの甲状腺ホルモン異常、膠原病、貧血、栄養・代謝異常などの病気も薄毛の原因となることがあります。
ストレス・食生活の乱れ
ストレスやビタミン・ミネラル不足などの食生活の乱れ、急激なダイエットなどでも脱毛の原因となることがあります。
症状
男性型脱毛症では、前頭部や頭頂部の頭髪が軟毛化して細く短くなります。これは、日本人男性の場合は、20歳後半から徐々に脱毛が進行し、軽いものも含めると、約30%の人が発症するといわれています。
女性型脱毛症では、男性とは違い、頭部の比較的広い範囲の頭髪が薄くなるパターンが多いといわれています。脂漏性皮膚炎など皮膚の病気では、薄毛とともに頭皮のかゆみ、赤み、発疹などの症状が起こることもあります。
治療
薄毛の治療は、原因となっている病気が何なのかによって大きく異なります。
一般的に行われることの多い治療には、以下のようなものがあります。
男性ホルモンの影響の場合
男性型脱毛症の治療には、内服治療が可能な場合があります。その他、外用薬や自毛植毛術もあります。これらの治療は、治療法の適応や副作用をよく理解したうえで行われるため、まずは皮膚科を受診してよく相談しましょう。
ストレス・食生活の乱れ
ストレスや食生活の乱れにより脱毛が起こる場合があります。特に、ミネラル不足、ビタミン不足が原因となることもあるので、規則正しい食生活を心がけるのがよいとされています。またストレスをできるだけ回避し、仕事が忙しい場合は過労になっていないかなどにも気を配るようにしましょう。
頭皮のトラブルによるもの
原因となっている病気が何であるかを特定し、皮膚科で治療を行います。抗炎症剤、抗アレルギー剤などの内服や外用薬などでの治療が多いとされています。
内臓の病気によるもの
その他、甲状腺の病気、膠原病、貧血、栄養・代謝異常などで脱毛を起こしている場合は、原疾患の治療により症状が改善する場合があります。治療法は原疾患によって大きく異なるため、まずは原因が何であるかを突き止めることが大切です。
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