原因
褥瘡が生じる理由
就寝中や座っているときなどには、皮膚の一部が布団や椅子と接することになります。接触を受けている皮膚には一定の圧力がかかり、血液が流れにくい状態になります。就寝中であっても、私たちは無意識のうちに体位を変えることで圧力が一部の皮膚にかかり続けないようにします。
しかし、脳卒中などで寝たきりになっている人や、手術後で体位変換がうまくできない人、筋肉や神経の病気に関連して動けない人などは自分の意識で体位を変えることができません。そのため、一部の皮膚に対し持続して圧力がかかり続けることになり、血流障害をきたすようになります。また、体位変換の際のずれ力も大きく影響します。
十分な血流が担保されない状態が持続すると皮膚に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなり、結果として褥瘡を生じるようになります。寝ている際に床と接する部分は特に圧迫を受けやすく、骨の出っ張りがある部位(仙骨部、踵や臀部、肘など)に褥瘡を認めることが多いです。
褥瘡が生じやすい状況
褥瘡は脳卒中や脊髄損傷、また手術後など寝たきりの状態や車椅子生活を強いられる場合に誘発されることが多いです。そのほか、糖尿病では神経障害や血流障害をきたしやすいため、褥瘡の発生に注意が必要です。
また悪性腫瘍、うっ血性心不全、骨盤骨折、慢性肺疾患なども褥瘡発生のリスクが高いことが知られています。栄養状態も褥瘡の発生に関わります。
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