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造血幹細胞移植

最終更新日:
2020年10月05日
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2020/10/05
更新しました
2020/09/30
更新しました
2017/09/13
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治療

造血幹細胞移植には、患者さん自身の造血幹細胞を用いる“自家造血幹細胞移植”と、ドナーから提供された造血幹細胞を用いる“同種造血幹細胞”の大きく2つの方法があります。

自家造血幹細胞移植の方法

自家造血幹細胞移植は、通常量の抗がん剤療法では治りにくいリンパ腫などの血液がんの患者さんを対して、大量の抗がん剤を安全に投与可能にすることによって、治癒に導こうというコンセプトの治療法です。自家造血幹細胞移植では、まず抗癌剤療法で骨髄に浸潤しているがん細胞や体に残存しているがん細胞をできるだけ減らした後、患者さんの造血幹細胞を採取し、凍結保存します。その後、がん細胞をできる限り死滅させるために、大量の抗がん剤投与を行います。また、患者さんの病状によっては全身への放射線治療を行うこともあります。

その後、あらかじめ保存しておいた患者さんの造血幹細胞を移植することで、大量の抗がん剤によってダメージを受けた骨髄の造血機能を回復させます。移植した造血幹細胞は、約1〜2週間ほどで骨髄に生着(移植した細胞が正常に機能すること)します。また、生着するまでの期間は、白血球が極めて少ない状態が続き感染症にかかりやすくなるため、防護環境が保たれた部屋(クリーンルームなど)で過ごします。

自家造血幹細胞移植は、患者さん自身の造血幹細胞を使用するため、移植による移植片対宿主反応や拒絶反応が起こることはありません。しかし、大量の抗がん剤投与による体への負担が通常の抗がん剤治療と比べて大きく、高齢であったり、若くても全身状態が悪かったりする場合には実施できません。

同種造血幹細胞移植の方法

同種造血幹細胞移植では、自家造血幹細胞移植と同様に造血機能の回復だけでなく、“移植片対白血病効果(GVL効果)”という効果が期待できます。GVL効果とは、ドナーの免疫細胞が患者さんのがん細胞を攻撃する効果のことです。

移植前には、自家造血幹細胞移植と同様に、大量の抗がん剤投与と全身への放射線治療によってがん細胞をできるだけ死滅させます。また、同種造血幹細胞移植では患者の免疫細胞が移植されたドナーの細胞に対して攻撃する免疫反応(拒絶反応)を示す恐れがあります。そのため、同種造血幹細胞における移植前処置には、拒絶反応を防ぐために患者さんの免疫力を抑制する役割もあります。

通常の移植前処置は、体への負担が非常に大きく、高齢であったり、全身状態が悪かったりする患者さんには実施できないことがあります。そこで、このような患者さんに対しては、移植前処置の強度を弱くした“骨髄非破壊的移植:ミニ移植”という方法が取られることがあります(通常の移植前処置は、骨髄破壊的移植:フル移植という)。残存したがん細胞に対しては、先述した “移植片対白血病効果(GVL効果)”が期待できますが、フル移植に比べると再発やドナーの細胞への拒絶反応の可能性が高くなる場合があります。

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