ほねぱじぇっとびょう

骨パジェット病

骨・関節

目次

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概要

骨パジェット病とは、骨の新陳代謝の異常により、骨が変形したり、もろくなったりする病気です。骨の変形に伴う痛みや頭痛、噛み合わせの問題、聴力障害、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)などを引き起こします。

中高年に認めることが多く、欧米に比べて日本を含むアジアでは発症率が低いことが特徴です。日本での有病率は人口100万人当たり2.3人程度であると報告されています。

治療では、骨の代謝を是正するためのビスフォスフォネート系製剤や鎮痛薬を使用し、生活の質を保つことを目標とします。

なお、皮膚(ひふ)に発症する悪性腫瘍の一種にもパジェット病がありますが、骨パジェット病とは別の病気です。

原因

骨パジェット病の発症には、遺伝的な要因や環境因子が複雑に関与していると考えられています。

健康な骨を常時保つために、古くなった骨は新しい骨と常に置き換わるようリモデリングと呼ばれる代謝が行われています。しかし、骨パジェット病では、原因は不明で、骨の代謝にかかわる遺伝子に異常が生じ、正常なリモデリング過程が障害されると推定されています。通常、加齢と共に骨代謝は遅くなりますが、骨パジェット病の場合には早まることから、障害を受けた骨が変形し、骨折を来しやすくなります。

その他、パラミクソウイルス感染症が発症に関与することも推定されています。

症状

骨パジェット病は主に中高年以降に発症する病気で、頭蓋骨や脊椎(せきつい)骨盤(こつばん)、足の骨など、全身のさまざまな骨に病変が生じます。必ずしも症状を呈するわけではありませんが、骨が変形すると痛みが生じるようになります。

また、病変が生じた部位に応じた症状が現れることがあります。たとえば頭蓋骨に病変が生じた場合、噛み合わせの不良や聴力の低下、頭痛など、脊椎であれば手足のしびれや痛み、感覚障害など、骨盤であれば腰痛などが生じます。

検査・診断

骨パジェット病では、骨の変形を評価するためのレントゲン写真や、脊柱管狭窄症を評価するためのMRI検査が行われます。レントゲン写真では、骨透亮像と硬化像が混在し(綿花様陰影)、(がん)の骨転移との鑑別が重要となります。

また、骨代謝が早まっていることを確認するために血液・尿検査、骨シンチが行われます。骨代謝が早まっていることを示すマーカーとしてはアルカリフォスファターゼが代表的であり、この値の上昇を確認します。また骨シンチでは、骨のリモデリングが促進されている部位に一致して、画像的な変化を確認することが可能です。

治療

骨パジェット病では必ずしも治療対象になるわけではありませんが、症状を伴うとき、骨代謝が活発であるとき、脊椎や頭蓋骨など機能障害をもたらす可能性が高い骨が障害されているときなどには治療が検討されます。

治療が行われる場合、靴の中敷や杖などの補助装具を用いたり、リハビリテーションを行ったりします。また、痛み止めの薬や、骨代謝を是正するためのビスフォスフォネート系製剤などが使用されます。変形した骨に対して手術が行われることもあります。