治療
骨軟部腫瘍の治療方法は病気の種類(悪性度、部位、症状など)によって大きく異なります。
良性骨軟部腫瘍
骨腫瘍の場合、無症状であれば経過観察となることもありますが、骨がもろくなっている場合や痛みがある場合には手術治療(切除、あるいは掻爬*と骨移植の組み合わせ)も検討します。軟部腫瘍も同様で、無症状であれば経過観察、痛みなどの症状があれば、症状緩和を目的とした手術も検討されます。
*掻爬:腫瘍など体内の組織をかき出すこと
中間型腫瘍
骨巨細胞腫、孤在性線維性腫瘍などでは手術による治療が検討されます。デスモイド型線維腫症に関しては手術後の再発率が高いこともあり、経過観察や薬物療法などの保存的治療が第一選択となります。
悪性骨軟部腫瘍
骨腫瘍の場合、転移がなければ手術治療で腫瘍を完全に取り除いたうえで、人工関節などを用いて患肢機能を再建(患肢温存)できるか検討します。MRIなどの画像診断法、効果的な薬物療法の開発によって、以前に比べて切断せざるを得ない患者さんの割合は減少してきました。
転移性骨腫瘍の場合、患者さんの状況や体力、もとのがんの種類や進行状態などに応じて手術治療が検討されることもあります。
軟部腫瘍の場合も、転移がなければ手術治療で腫瘍を完全に取り除き、必要に応じて皮膚や軟部組織の再建を行います。腫瘍の取り残しがないよう、切除範囲を大きく取ること(広範切除)が必要です。病気の種類や腫瘍の位置、大きさなどによっては、術前・術後に放射線治療や薬物療法を組み合わせることもあります。
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