症状
1型糖尿病の典型的な症状は、口渇、多飲、多尿、体重減少です。
インスリンの分泌が低下し血糖値が上昇すると、尿中にブドウ糖が大量に排出されることで尿量が増加(多尿)し、脱水になります。その結果、喉の渇き(口渇)、大量飲水(多飲)の症状が現れます。
インスリンはブドウ糖を細胞内に取り込んでエネルギー源として利用するはたらきがあります。インスリンが不足するとブドウ糖をエネルギー源として利用できなくなるため、代わりのエネルギー源として脂肪が分解されることで体重が減少します。
なお、劇症1型糖尿病はウイルス感染をきっかけに発症することが多く、この場合には口渇、多飲、多尿の症状よりも先に、発熱や喉の痛み、腹痛、悪心、嘔吐などの感染症状が現れます。
インスリンがまったく分泌されなくなると、脂肪が分解されることでケトン体が大量に作られます。血中のケトン体が増加するとケトーシスやケトアシドーシスに陥り、生命に関わります。
医師の方へ
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
新薬登場で変わる糖尿病治療――変革期に開く糖尿病学会学術集会の見どころを西尾 善彦会長に聞く
「糖尿病学維新 ―つなぐ医療 拓く未来―」をテーマに第66回日本糖尿病学会年次学術集会が5月11~13日、鹿児島市で開催される(一部ライブ配信、オンデマンド配信あり)。「維新」というテーマにふさわしく、今年は新薬の登場で糖尿病治療が大きく変わることが期待されており、学術集会でもそうした話題で活況を呈
糖尿病治療への再生医療応用――β細胞新生・再生研究の現状と展望
糖尿病患者の根治CUREを目指して大学院、研修医のころから臨床と研究の二足のわらじを履きながらやってきた。1990年代から糖尿病の再生医療に期待がかけられてきたが、なかなか進まなかった。たとえば、血液の病気であればエリスロポエチンやG-CSFが90年代から臨床で使われてきたように、薬による再生医療は
糖尿病診療は双方向のコミュニケーションが重要――医師だけでなくスタッフも参加、患者がアクセスできる窓口を多様化
糖尿病診療において“指導”や “患者教育”という言葉がよいのかという問題は、糖尿病のスティグマや病名変更議論に通じるものがある。指導や教育というと、医師から患者への一方通行になりがちだ。医療者と患者がそれぞれの考えを伝える“双方向”のコミュニケーションが望ましい。北里大学病院では看護師や薬剤師、管理
「1型糖尿病」を登録すると、新着の情報をお知らせします