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PMS

別名:月経前症候群
子宮

目次

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概要

PMSとは、月経前症候群と呼ばれるもので、月経が開始する3~10日ほど前から身体的、精神的に不快な症状が現れます。これらの症状は月経が開始すると同時に改善するのが特徴です。

月経のある女性の70~85%は月経前に何らかの不快症状を感じるといわれていますが、PMSはその症状の程度が病的に強い状態です。症状は軽度なものから、著しい気分変調によって日常生活に支障を来す重度なものまでさまざまです。

軽度な場合には、生活習慣の改善などで症状がよくなることも多いですが、重度な気分変調を来すものは月経前不快気分障害と呼ばれる精神疾患のひとつとして考えられることもあり、抗うつ薬などの使用が必要となることも少なくありません。

PMSは女性の多くに発症しますが、放置すると精神症状が悪化して、月経前不快気分障害などの深刻な精神疾患を引き起こすこともあるため、注意が必要です。

原因

女性の性周期

女性には約28日の性周期があり、月経の始まりから次の月経までが1つのサイクルとなります。

性周期前半は、女性ホルモンであるエストロゲンが多く分泌され、卵巣内の卵胞を成熟させる「卵胞期」という時期になります。そして、性周期のちょうど14日目頃に成熟した卵胞から卵子が排出され、これを排卵と呼びます。

排卵後は妊娠に備えて黄体機能の維持を行うプロゲステロンが多く分泌されるようになります。この時期は「黄体期」と呼ばれ、二週間ほど続くと成熟した子宮内膜が剥がれ落ちて月経が生じ、次の性周期に移行します。

PMSの原因

PMSは黄体期に発症して、次の性周期の卵胞期になると症状が改善することから、エストロゲンとプロゲステロンの分泌異常が原因となるとの説があります。エストロゲンの過剰分泌やプロゲステロンの分泌の低下が挙げられますが、詳しい発症メカニズムは解明されていません。また、腎臓に関与するレニンやアンジオテンシン、アルドステロンなどのホルモン異常が関与しているとの考えもあります。

一方、PMSの神経症状は、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常が原因であることがわかっています。黄体期に高値となるプロゲステロンの分泌が低下すると、気持ちを落ち着かせる効果のあるセロトニンというホルモンの分泌が妨げられたり、脳内GABAの活性が低下したりすることで、イライラ感や抑うつなどの症状を引き起こします。

症状

PMSには身体症状と精神症状があり、どちらも非常に多くの症状が出現するのが特徴です。これらの症状は、月経の3~10日ほど前から始まり、月経の開始とともに症状が改善傾向を示します。それぞれの代表的な症状は次の通りです。

身体症状

体の一部に痛みが生じる症状

  • 下腹部痛
  • 頭痛
  • 腰痛
  • 乳房痛

など

自律神経失調症状

  • 動悸
  • 悪心
  • めまい

など

また、脚のむくみや体重増加など、体内の水分が増加することによる症状もみられます。

精神症状

  • イライラ感
  • 抑うつ
  • 不安・緊張感
  • 易疲労感
  • 不眠
  • 無気力
  • 判断力の低下

など

重症なケースでは、イライラ感や怒りが強くなって他者を無意識に罵倒したり、攻撃したりすることもあります。また、周囲に理解してもらえない辛さから引きこもりになることも珍しくありません。

検査・診断

PMSでは、血液検査によってホルモン値を測定します。また、貧血や栄養不足などPMSと似たような症状を引き起こす病気がないか確認する必要があります。

子宮や卵巣などに異常がないか調べるために超音波検査が行われることもあります。さらに、重症なケースではうつ病などの他の精神疾患との鑑別を行うために心理検査が行われることもあります。この場合には婦人科ではなく精神科や心療内科などの専門医を紹介されることが多いと考えられます。

しかし、PMSを診断するうえでもっとも重要なものは詳細な問診です。問診では症状や発症時期、月経周期、妊娠・出産歴、生活環境などさまざまな項目がチェックされます。

治療

比較的軽症な場合には、カウンセリングや生活習慣改善のための指導が行われます。PMSの改善のためには、有酸素運動を主体とした適度な運動、禁煙、節酒、ストレスの解消などを行います。

薬物療法

これらの対策によっても症状が改善しない場合には、エストロゲンとプロゲステロンが配合された低用量経口避妊薬が使用されることがありますが、効果は人によって異なります。また、イライラ感などの自律神経失調症状には当帰芍薬散などの漢方薬、頭痛をはじめとした体の痛みに対しては消炎鎮痛剤が使用されます。

重症な場合には精神症状が強く現れ、日常生活に支障を来すことが多いため、抗うつ薬が使用されることもあります。

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