誰もが安心して医療を受けられる社会であってほしい

DOCTOR’S
STORIES

誰もが安心して医療を受けられる社会であってほしい

膠原病の奥深さに触れキャリアを転向した佐藤 紘子先生のストーリー

東北大学病院 リウマチ膠原病内科 病院講師
佐藤 紘子 先生

腎臓内科医からスタートした医師としてのキャリア

医師を目指したのは、“医学”に純粋に興味があったことが最初のきっかけです。大学進学の際には、法学も考えた時期もありましたが、医師という職業のイメージがしやすかったこともあり、山形大学医学部に進学しました。

大学を卒業後は、山形市立病院済生館(以下、済生館)で2年間の初期臨床研修を行い、様々な診療科の中から、最終的には学生の頃から興味のあった内科に進もうと思いました。しかし内科の中のどの分野にするかは決められないまま研修を終え、3年目は内科レジデントとして同じ済生館で腎臓内科、呼吸器内科、循環器内科をローテートしました。たとえどの分野に進んでも、循環・呼吸動態の管理や水・電解質の管理ができることは大切だと思ったからです。そして最終的には腎臓内科に進むことにしました。振り返ると、済生館の腎臓内科の出川 紀行(でがわ のりゆき)先生に大変お世話になったことも腎臓内科に進んだ理由の1つだと思います。そして山形大学医学部内科学第一講座 腎臓(じんぞう)膠原病内科(こうげんびょうないか)に入局しました。

膠原病の奥深さに興味を抱くように

診療科名は“腎臓・膠原病内科”ですが、当時は腎疾患が主な診療の中心でした。そのため、私も周りの医師と同じように腎臓専門医*と透析専門医**の資格を取り、腎臓内科医としてのキャリアを歩んでいくつもりでいました。しかし入局5年目から私が担当した外来は腎臓疾患よりも膠原病疾患の患者さんが多く、四苦八苦しながら膠原病の勉強をしているうちに徐々に膠原病に興味を抱くようになりました。これが膠原病内科へ転向したきっかけです。

膠原病は自己免疫の異常によって、全身のさまざまな臓器に病変を引き起こす病気の総称で、同じ病気でも患者さんによって非常に多様な症状が現れます。診断に難渋することも多い病気ですが、症状、身体所見、検査値、経過などから「一体どういう病気なのだろう」と考えて診療していくことに、診断学的な奥深さを感じました。また、治療の進歩が目覚ましい分野であることも魅力的でした。

膠原病について本格的に学びを深めたくなり、私は国内留学に行くことを決意しました。全国の講演会や勉強会に出席して留学先を探している中で、当時東北大学病院にいらっしゃった石井 智徳(いしい とものり)先生の講演を聞く機会をいただきました。「この先生の下で勉強できたらいいな」と思った私は、石井先生にご相談し東北大学病院の見学をさせていただきました。実際に見学に行ってみて「やはりここで膠原病について学びたい」という思いが固まり、当時の血液・免疫科の教授であった張替 秀郎(はりがえ ひでお)先生にお願いをして2017年7月から東北大学病院で勤務しています。石井先生、張替先生には大変感謝しております。

*腎臓専門医:日本腎臓学会が認定する資格

**透析専門医:日本透析医学会が認定する資格

「いい医者になれよ」患者さんからの言葉

今、東北大学病院で働けていることを大変ありがたく思っています。素晴らしい上司や同僚に囲まれ、恵まれた環境で仕事ができています。石井先生には診療にあたっての考え方、臨床研究の進め方などいろいろなことを教えていただきました。それまでは日常臨床の視点ばかりで研究の視点はあまり持てていなかったので、貴重な機会をいただいたことに感謝しています。

日々仕事をしていると大変なこともあります。そんなときは、初期臨床研修医の頃に受け持った透析患者さんから言われた「頑張っていい医者になれよ」という言葉をふと思い出し、自分を奮い立たせることもあります。

臨床研究を深めて診療に還元していきたい

私が医師を続けていくうえで心に留めていることは「自分も含めて誰もが安心して医療を受けられる社会であってほしい」という俯瞰的な視点を持つことです。私たち医療者も、いつ患者さんの立場になるか分かりません。診療内容や患者さんとのコミュニケーションで悩んで、時に心が折れそうになることもありますが、そんなときには少し休んで、この視点に立ち戻るようにしています。

そして今は、そうした「社会」に自分は医師としてどういう関わり方ができるかを考えています。未来に対して明確な目標は定まっていませんが、中期的な目標としては東北大学病院の強みである研究の学びを深めていきたいと考えています。診療の深みは研究によって増していくと考えられ、それにより患者さんによりよい医療を届けられたらと思っています。

この記事を見て受診される場合、

是非メディカルノートを見たとお伝えください!

  • 東北大学病院 リウマチ膠原病内科 病院講師

    佐藤 紘子 先生の所属医療機関

    東北大学病院

      • 内科
      • 血液内科
      • リウマチ科
      • 外科
      • 心療内科
      • 精神科
      • 脳神経外科
      • 呼吸器外科
      • 消化器外科
      • 腎臓内科
      • 心臓血管外科
      • 小児科
      • 小児外科
      • 整形外科
      • 形成外科
      • 皮膚科
      • 泌尿器科
      • 産科
      • 婦人科
      • 眼科
      • 耳鼻咽喉科
      • リハビリテーション科
      • 歯科
      • 矯正歯科
      • 小児歯科
      • 歯科口腔外科
      • 麻酔科
      • 乳腺外科
      • 呼吸器内科
      • 循環器内科
      • 緩和ケア内科
      • 腫瘍内科
      • 感染症内科
      • 消化器内科
      • 糖尿病内科
      • 内分泌内科
      • 代謝内科
      • 膠原病内科
      • 脳神経内科
      • 老年内科
      • 漢方内科
      • 肝胆膵外科
      • 血管外科
      • 放射線診断科
      • 放射線治療科
      • 頭頸部外科
      • 総合診療科
    • 宮城県仙台市青葉区星陵町1-1
    • 仙台市営地下鉄南北線 北四番丁 北2出口 徒歩10分JR仙山線 仙台 東北大学病院経由、北山→子平町循環 広瀬通駅経由など 東北大学病院前下車 バス20分
    • 022-717-7000
    公式ウェブサイト

医師のストーリー医師には医師のドラマがある

何よりも患者さんにとって“身近なよい医師”でありたい

住友病院 膠原病・リウマチ内科 診...

北野 将康 先生

「先生に会えてよかった」と満足してもらいたい

大阪医科薬科大学病院 消化器内科

水田 昇 先生

子どもの頃に憧れた、かっこいい医師でありたい

山形大学医学部附属病院 第一内科 助教

亀井 啓太 先生

身近な場所で患者さんの健康を支えていきたい

トライハートクリニック中野 代表医師

山田 亘 先生

他の医師を見る

同じ所属病院の医師

「受診について相談する」とは?

まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

  • <お客様がご相談される疾患について>、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
  • <受診の際には原則>、紹介状をご用意ください。