院長インタビュー

札幌市のリーディングホスピタル 斗南病院の高度先進医療とは

札幌市のリーディングホスピタル 斗南病院の高度先進医療とは
奥芝 俊一 先生

斗南病院 院長

奥芝 俊一 先生

この記事の最終更新は2017年06月25日です。

2016年に新築移転を果たした北海道札幌市にある斗南病院は、これまで以上に病院の機能を充実させ、特にがん治療を中心に質の高い医療の提供を行っている高度先進医療機関です。また、設備や症例数などは札幌市内でも有数の規模を誇り、全国各地から多くの医師が高度先進医療を学びに訪れます。

札幌市の高度先進医療を担うリーディングホスピタルとして、斗南病院はどのような取り組みを行っているのでしょうか。

斗南病院院長 奥芝俊一先生にお話を伺いました。

斗南病院は1951年、札幌の地に札幌共済病院として開設、その後に斗南病院と改称され、現在まで札幌市民の皆さんに『良質でやさしい医療』を提供しています。

病院名の『斗南』という言葉には、北極星から南をみているような、あるいは宇宙全体をみているような日本一の病院にしよう、という思いが込められています。

斗南病院は施設の老朽化により、2016年に新築移転しました。

移転後も札幌都心部を離れることなく、病院機能をさらに強化して、より質の高い医療に取り組んでいます。

斗南病院 外観

斗南病院の入院患者さんの約4割が、がん患者さんです。

当院では、内視鏡外科手術など患者さんの負担が小さい、低侵襲治療を積極的に行っています。

また、北海道内で初めて外来化学療法センターを設置し、外来通院による化学療法を行っていることも特徴です。さらに、2016年の病院移転に伴って放射線治療装置を導入し、より高度で先進的ながん治療が可能となりました。

斗南病院では内視鏡室を設置し、早期消化器がんの発見と治療に取り組んでいます。

特に食道・胃・大腸の『内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)』に力を入れており、症例数は道内でもトップクラスを誇ります。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とは、早期で発見されたがんに対して、特殊なナイフで病変部位を剥離する治療法です。

開腹の必要がないので患者さんへの負担が少なく、1週間程度の入院で手術ができます。

新病院に設置した放射線治療装置によって放射線療法が可能となりました。

外科的治療(手術)や化学療法と併せた三本柱でがん治療を行うことによって、一人ひとりのがん患者さんに対する治療を強化しています。

がん治療では、外科的治療(手術)、化学療法、放射線療法の3つの治療法が一般的ですが、斗南病院ではこれらに加えて『凍結治療』を行っています。

凍結治療とは、冷凍手術器の凍結針を病変に刺してがん細胞を壊死させることによって、がんを治療していく方法です。

当院ではいち早くこの冷凍手術器を導入し、腎がんや肝がんなどの凍結治療を行っています。

凍結治療には治療コストや合併症のリスクなどの課題がありますが、今後新たながん治療の選択肢となることが期待されます。

斗南病院では、医師の育成に積極的に取り組んでいます。

当院の症例数は札幌市でも有数の規模であり、全国から優秀な医師も集まっているため、常に切磋琢磨できる環境であるといえます。

病床数に対する医師の人数が虎ノ門病院に次いで全国で2番目に多く、医師が充実していることも大きな特徴です。

国際的に認められるような研究を行っている医師も多く、当院の医師の論文がヨーロッパやアメリカのがんの学会で多数採用されています。

奥芝俊一先生

地域の皆さんに日々の食事から健康になっていただこうとの思いから、京王プラザホテル札幌と斗南病院の管理栄養士が共同して、健康に配慮した体にやさしいコラボレーションメニューを考案しました。

コラボレーションメニューは京王プラザホテル札幌内の飲食店で提供しています。

たとえばレストラン『鉄板焼 やまなみ』では、塩分3グラム未満、500キロカロリー未満の『ローカロリーランチ』をご用意しました。また『カフェ デュエット』では、塩分3グラム未満、750キロカロリー未満の『野菜たっぷり 雑穀米と鶏挽肉の豆乳ドリア』をコーヒーとフルーツサラダとともに召し上がっていただけます。

そして、一番人気のあるメニューが『ペストリーブティック ポピンズ』の『麹あんぱん』です。麹あんぱんはひとつあたり糖質50グラム未満で、砂糖を一切使用していない代わりに麹を使って甘味を引き出しています。

非常に評判がいいので、今後も皆さんに喜んでいただけるような第二弾のメニューも考案していきたいと考えています。

斗南病院 料理メニュー

「鉄板焼 やまなみ」のローカロリーランチ

斗南病院 料理メニュー

「カフェ デュエット」の野菜たっぷり 雑穀米と鶏挽肉の豆乳ドリア

斗南病院の近隣には、特定機能病院や大学病院など複数の大病院があります。

今後は各病院が機能分化して、札幌市地域の皆さんにとって必要な医療を的確に提供できれば理想的だと考えます。

私たちは、札幌市のリーディングホスピタルとして、斗南病院でしか行うことができないようなハイレベルな治療に積極的に取り組んでいきます。

新病院移転後も引き続き、『良質でやさしい医療』を実践できるように努めてまいります。

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