院長インタビュー

地域の信頼と民間の活力を結び、箕面市立病院が描く新たな医療の形

地域の信頼と民間の活力を結び、箕面市立病院が描く新たな医療の形
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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大阪府北摂エリアにおいて、長年にわたり地域医療の要となってきた箕面市立病院は、2025年度から指定管理者制度を導入し、医療法人協和会による運営がスタートしました。現在は公立病院としての役割を維持しながら、民間組織の下で体制の見直しが進められています。

救急受け入れの拡充や新診療科の開設などの取り組みも進み、2031年度には新病院への建て替えを予定している同院について、総長の関本 貢嗣(せきもと みつぐ)先生に話を伺いました。

当院は現在、医療法人協和会を指定管理者とする新たな体制で運営を行っています。地域医療支援病院であるという役割は変わりませんが、経営の意思決定を医療法人が担うことで、まだ変化の途上にあるものの、従来よりも迅速に対応できる場面が増えたと感じています。将来的には協和会が運営する千里中央病院との統合も予定されており、グループとして地域医療を支える体制づくりが進められているところです。

体制の移行に伴い、職員の雇用形態も公務員から法人職員へと変わりました。こうした変化は制度面にとどまらず、組織としての意識のあり方にも及んでおり、「自分たちで病院を支えていく」という意識への転換が進んでいると感じています。その結果、現場の課題に対して職員全体が素早く、柔軟に動こうとする姿勢が少しずつ広がっています。

病院外観
病院外観(箕面市立病院ご提供)

急性期を担当する病院がその役目をどのように果たしているのかを示す指標の1つが、救急の受け入れ実績です。2024年度は4,316件だった救急件数は、2025年度では4,700件を超えました。病床の稼働率についても、以前の60%台から改善し、時期によっては80%台なかばに達することもあります。夜間を含めて受け入れ体制を整えてきた結果がこうした数字に表れていると考えており、引き続き体制の強化を進めていきます。

当院は地域の急性期医療を担当する病院として、地域で困っている救急の患者さんに素早く対応できるよう、診療科同士が協力する体制づくりも進めており、それが現在の稼働状況につながっています。近隣には大学病院などもあるこの地域で、役割分担として私たちは求められればできる限りの患者さん受け入れていく所存です。

当院では現在、2031年度の新病院開院を目指した建て替え計画が進んでいます。建築費の高騰などの課題はありますが、箕面市と協和会が連携しながら実現に向け検討しています。

一方で、新病院の完成を待つだけではなく、現時点で必要とされる医療体制の整備も並行して行っています。その1つが診療科の拡充です。
呼吸器、免疫領域では大学から医師の応援を受けながら体制を整備しました。また腎臓内科と緩和ケア内科については常勤医師を配置し、緊急透析への対応なども含めて新たに診療を開始しました。
これからも当院は柔軟に体制を整えて、地域の皆さんのニーズに対応していきたいと考えています。

各診療科においても体制の見直しを進めており、分野によって強化が進んでいる領域もあります。泌尿器科や外科、産婦人科では手術支援ロボットを活用した治療を行っており、整形外科では人工関節の手術にも力を入れている状況です。

また、地域の高齢化の進行を受け、認知症治療にも注力しています。近年登場した認知症の新しい治療薬を使った治療を行うには、神経内科と精神科の連携が不可欠であり、当院ではスムーズな連携体制を整えています。この新しい認知症治療に対応できる医療機関が限られることもあって当院の受診を希望される方も増えており、場合によっては待機期間が生じることもありますが、これからも当院では体制を維持しながら対応を続けていきたいと考えています。

ダビンチ
ダビンチXiによる手術(箕面市立病院ご提供)

地域医療を支えるうえで、急性期を担当する病院と近隣の医療機関との連携は非常に重要です。こうした連携は単なる仕組みではなく、人と人との関係性によって成り立つ部分が多く、当院でも地域の開業医の先生方と直接やり取りを行う担当者が中心となり、顔が見える関係を築いているところです。

一方で、課題として感じているのが患者さんやご家族への接遇面の向上です。これについては、どのような状況でも地域の皆さんの立場に立って対応できるよう組織全体で意識を高めていく必要があると強く感じています。民間による運営体制となったことで、こうした意識が少しずつ高まっていくことを期待しています。

人口減少や物価高騰が進むなかで、地域の医療機関を取り巻く環境は変化しており、そのなかで病院として役割を果たし続けるためには、設備だけでなく、それを支える人の姿勢が重要になります。当院は新病院という将来の計画を見据えつつ、地域の方に「ここで診てもらってよかった」と感じていただける医療を提供し続けることを目指し、日々の診療の中で信頼を1つずつ積み重ねていきたいと考えています。

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