日立造船健康保険組合因島総合病院は、広島県尾道市因島の瀬戸内海沿いに病院を構えています。海に面し、桟橋が近くにあるため交通の便がよく、因島だけでなく、近くの上島諸島・生口島を主な医療圏とし、医療提供を行っています。同院は、離島の病院として、島民の皆さんに必要とされる救急医療に力を入れて取り組んでいます。また、近年は血液透析をはじめ、診療内容の充実に力を入れて取り組んでいます。
「花と笑顔とおもてなし」による、島民の皆さんに求められる医療提供への取り組みとは、どのようなものでしょうか。病院長である橋本洋夫先生にお話を伺いました。
当院は、因島だけでなく、弓削島、生名島、岩城島、佐島を含む上島諸島・生口島も医療圏とし、約4万人の島民の皆さんの救急医療を担っています。桟橋に近く、海に面した病院であるために、救急搬送を円滑に行えることが強みになっています。
内科は、24時間365日対応しています。まずは、一般内科で救急の患者さんを診て、その後、各診療科に引き継いでいます。
外科は、日曜の夜間以外は救急搬送に応需しています。脳卒中、心筋梗塞や緊急手術を要する患者さんに対しては、当院では対応が難しい場合があります。その場合には、本州の病院へ搬送をお願いすることがあります。他病院で専門的な治療や手術を受けられ、症状が落ち着いた患者さんに対しては、当院で責任をもって診療を引き継ぎますのでご安心ください。
当院では、日本リウマチ学会認定のリウマチ専門医が治療に当たります。関節リウマチの診断から患者さんに適した治療法の提供まで、リウマチ科で診療しています。関節リウマチとは、免疫異常により関節が炎症を起こし、手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。悪化すると、関節が変形してしまい、手術が必要になる場合もあります。
そのため、当科では関節超音波検査での早期発見・早期治療に努めています。関節超音波検査では、炎症を直接見ることができます。これにより、目視で確認できない炎症を、早期に発見できるようになりました。
リウマチ科では、薬物療法を早くからはじめられるよう、積極的に関節超音波検査に取り組んでいます。また、関節リウマチが悪化し、手術が必要になった場合でも、医療連携を行っている病院に紹介し、切れ目なく治療を提供する体制を整えています。
血液透析とは、腎臓のはたらきが悪くなった方に対し、人工透析装置によって血液中の老廃物や水分を取り除き、体内を正常な状態に保つ治療です。当院は透析棟を有し、医師・看護師・臨床工学技士などの職員が治療に当たっています。
臨床工学技士とは、医療機器を扱う専門職員です。当院では、看護師および臨床工学技士がチームで、注射針の抜き差し、人工透析装置の操作・管理を行っています。そのチームが、人工透析装置の管理を行うため、患者さんは透析中に医師の診察を受けることが可能になっています。
また、観光でいらした方の血液透析にも応需しておりますので、ご希望の方は事前に地域医療連携室までご連絡ください。
今後、少子高齢化が進み、地方での医療需要は増す一方です。しかし、医師不足や地域医療の行き届かない状況は、さらに深刻化するでしょう。そこで、若手医師の皆さんには、地域医療を学んでいただきたいと考えています。
若手医師にとって、学びはとても重要です。しかし、同じくらいリフレッシュすることも大切です。若手医師の皆さんは、プライベートを充実させ、仕事にも打ち込める環境を自ら作っていってください。そのためにも、当院ではサイクリングクラブ、アウトドアクラブでの活動もあり、皆さんのリフレッシュのお手伝いができればと考えています。
地域医療や離島医療に興味を持ち、仕事もプライベートも充実させたいと考えている若手医師の皆さんは、ぜひ当院にいらしてください。
当院は、「花と笑顔とおもてなし」をスローガンに、医療提供をしています。
当院入り口には、花を飾っています。この花は、地域の花屋さんと提携し、1週間ごとに変えています。病院にいらした患者さんに、花を見ることで癒されていただきたいと思っています。
また、島民の皆さんが体に不調を感じた際、気軽に受診していただける病院づくりに取り組んでいます。お祭りや市民講座を通し、島民の皆さんと交流を深め、地域の頼れる病院になりたいと考えています。
今後とも、患者さんへの心遣いを忘れず、職員も患者さんも笑顔になる病院づくりに励んでまいります。
日立造船健康保険組合因島総合病院 病院長
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。