足の甲が痛い:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
足の甲は普段あまり意識することのない場所かもしれませんが、歩くなどの動作をするうえで非常に大切な役割を果たしています。
このような症状がみられるとき、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか。
足の甲の痛みは、何らかの病気やけがが原因となって起こることがあります。
足の甲の痛みは神経に問題があり、起こることがあります。
足の運動と感覚をつかさどる腓骨神経が何らかの原因によって障害を受けた状態です。主な症状には、足の甲から指にかけての痛み、しびれ、ジンジンとした感覚などがあります。また、腓骨神経は足首を曲げる動作に大切な役割を果たしているため、腓骨神経が障害されることで躓きやすくなったり、転びやすくなったりすることがあります。
足の骨の病気・けがによって、足の甲が痛むことがあります。
足は、小さな骨が複雑に組み合わさって構成されています。特別、骨折するような心当たりがなくとも、くり返し走ったり、ジャンプしたりするようなスポーツなどにより特定の骨に負担がかかり続けると、いわゆる疲労骨折を起こすこともあります。
外脛骨は足の甲の内側にある通常は存在しない余分な骨で、症状がない場合には特に問題ありませんが、ある程度大きいと靴に当たった際などに痛みや腫れが現れることがあります。
また、外脛骨があることで炎症の原因となる場合があります。スポーツ活動が盛んな中高生などに多くみられるといわれています。
足の甲の痛みは関節に問題があり、起こることがあります。
足首の関節でクッションの役割をしている軟骨がすり減ることで骨に変形が生じ、足の甲や足首に痛み、腫れが起きる病気です。加齢によって発症しやすくなるほか、体重増加やスポーツのし過ぎ、捻挫や骨折などのけがが原因で起こることもあります。
足の甲には指を上に向ける腱が走っており、その腱が炎症を起こし、痛みを感じることがあります。
ふくらはぎの筋の固い人や扁平足の人に多くみられ、運動のし過ぎでも起こります。足の甲の骨の突出や合わない靴などに当たり、腱が擦れて炎症を起こすこともあります。
足指の骨である中足骨と、足の甲の骨の楔状骨・立方骨の間の関節をリスフラン関節といいますが、ここに炎症や変形が起きる病気です。
もともと足の中でも負担のかかりやすい部分であり、特に、扁平足や外反母趾などで体重のかけ方のバランスが崩れると炎症の原因となることがあります。
足の甲の痛みは靭帯に問題があり、起こることがあります。
つま先が地面についたまま大きな負担が足にかかることで起きる、足の甲の靭帯損傷です。
スポーツなどの際に発症することが多く、さほど強く負荷がかかった覚えがなくとも靭帯が損傷することがあります。痛みが軽いとただの捻挫だと思われてしまい、適切な処置のタイミングを逃してしまうこともあるため、注意が必要です。
何かスポーツなどのきっかけがあり足の甲の痛みが始まった場合には、早めに受診するようにしましょう。心当たりがなく、長く痛みが続いているような場合にも一度受診しておいたほうがよいでしょう。受診科目は整形外科が適切です。
医師にはいつから足の甲が痛いのか、きっかけとなった出来事はあるかどうかなど、できるだけ詳しく伝えることが大切です。
日常生活に問題があって、足の甲に痛みが発生している場合もあります。
足の甲が高い状態をハイアーチまたは凹足といいます。ヒールが高い、靴が小さいなど足に合わない靴を履いているとなりがちです。
靴を購入する場合には、必ず試着をするようにしましょう。なかなか合う靴が見つからない、どれを履いても合わないところがあるというような人の場合には、シューフィッターのいるような店舗でフィッティングを受けるのもよいでしょう。
冷えや運動不足は、血行不良を引き起こします。血行不良によって足の甲の痛みが引き起こされることもあります。
冷え・血行不良を防ぐには
簡単な足指ストレッチをして血行を促進しましょう。まず、足の爪の生え際を優しく押す、指をマッサージする、指を握ったり開いたりするなどの方法があります。
むくみも足の甲を痛くする原因のひとつです。
軽いむくみであれば、入浴時などに優しくマッサージしたり、足を高くして寝るなどでよくなることも多いでしょう。サイズのあった着圧ストッキングなどを使用するのもひとつの方法です。
指で押した跡がはっきり残るような強いむくみがいつまでも続く場合には、一度、病院で相談してみましょう。
自分で行える対処法を試しても足の甲の痛みがよくならないようであれば、思いもよらぬ原因が潜んでいることも考えられます。一度、医師に相談してみましょう。