足の指が痛い:医師が考える原因と対処法|症状辞典

足の指が痛い

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 強くぶつけたなど、きっかけがはっきりしていて痛みが強い
  • 歩くことができないほど痛む

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 指を動かすと痛みが強くなる
  • 痛みのある指が赤く熱を持って腫れている
  • 痛風と診断されたことがある
  • 日常生活に支障はないが、痛みが慢性化している

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 痛みが短期間で、その後繰り返さない

メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】

踏まれた、重い物を落としたなどの心当たりがないにもかかわらず、足の指に痛みを感じた場合、原因によっては注意が必要なこともあります。

  • 足の指が赤く腫れて、ズキズキと痛む
  • ハイヒールが好きで長年履いていたが、最近、足の指が痛いと感じるようになってきた
  • 爪の形がいびつで、指に食い込んで痛い

このような場合に考えられる原因には、どのようなものがあるでしょうか。

足の指が痛いとき、骨や関節の病気、皮膚や爪の病気などが原因となっていることがあります。

足の指の痛みの原因となる骨や関節の病気には、次のようなものがあります。

外反母趾

足の親指が人差し指を圧迫するように曲がった状態です。足の指の痛みのほか、関節の脱臼を招くこともあります。

患者のほぼ9割は女性で、遺伝的な要素やハイヒールなどによる指の圧迫が原因となるといわれています。

痛風

尿酸塩の結晶が関節や腎臓にたまり、周りの組織を刺激することで強い痛みが現れます。普段は、痛みなどがないことがほとんどですが、一旦痛み発作が起こると激しい痛みを伴って関節が赤く腫れます。足首や足の親指などに好んで起こることが知られています。

数日で痛み発作はよくなっていきますが、痛みがよくなったあとも継続的に治療をすることが大切な病気です。

モートン病

主に足の中指と薬指の間に痛みやしびれが生じる病気です。症状の出方には個人差があり、ほかの指同士の間が痛くなる人もいます。ハイヒールを含む、つま先立ちの姿勢が長時間続くことで起こりやすくなるといわれています。

ハンマートウ

足の指がZ型に曲がり、変形してしまった状態です。ほかにも、指が丸まったように変形したクロウトウや、第一関節だけが曲がったマレットトウなどがあります。末梢神経の障害で、足の指の間の筋のバランスが崩れたりすると生じやすいです。また、指の骨がもともと長く圧迫を受けやすい人や、合わない靴を長年履き続けたような場合に起こることがあります。

関節リウマチ

関節の炎症によって、関節の痛み、腫れ、こわばりなどを伴う病気です。体の免疫システムが誤って自分の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種であるため、全身に症状が出ることもありますが、主に関節軟骨や滑膜が標的となるため、関節の症状が現れやすいとされています。

発熱、倦怠感などの全身症状が出ることもあるので注意しましょう。

足の指の痛みの原因となる皮膚や爪の病気には、次のようなものがあります。

陥入爪(かんにゅうそう)・爪周囲炎

爪のふちが皮膚に食い込んで炎症を起こす陥入爪、ささくれなどの小さな傷から細菌が侵入して感染を起こす爪周囲炎ともに、足の指の痛みの原因となることがあります。不適切な爪に切り方で生じることが多く、痛みだけではなく、赤みや腫れを伴うことがほとんどです。

巻き爪

爪の先端が丸く内側に巻き込むように皮膚に食い込み、炎症を起こしている状態です。食い込みがひどいと傷になったり、傷から感染を起こすこともあるため注意が必要です。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

皮膚の脂肪組織など、深部が細菌に感染して炎症を起こす病気です。全身のどの部位でも起こることがあります。感染した部位は赤く腫れ、熱を持ち、痛みを感じることがほとんどです。程度によっては発熱など全身の症状が出ることもあります。

突然激しい痛みを感じた、腫れや赤みを伴って痛むような場合には早めに受診が必要です。また、そこまで強くはないものの痛みが続いているような場合や、指や爪の変形がある場合にも一度受診しておきましょう。

受診科目は、指の変形などがある場合には整形外科、爪の変形や爪周囲に限った赤みや痛みなどがある場合には皮膚科がよいでしょう。自分では判断がつきにくい場合もありますので、迷った場合にはレントゲンなどを撮ることができる場合の多い整形外科への受診がよいでしょう。

受診の際は、いつから足の指の痛みがあるのか、ほかの症状はいつからどんなものが出ているのか、普段好んで履く靴のタイプなど、医師へできるだけ詳しく伝えることがポイントです。

日常生活に原因があり、足の指が痛むこともあります。

ヒールが高い、サイズが小さいなどの足に合わない靴も痛みの原因です。

足に合う靴を見つけるには

指先が圧迫されないよう適度なゆとりのある靴を選ぶことは大切ですが、逆にサイズが大きすぎても足には負担となることがあります。靴を買う際には必ず試着し歩いてみて、大きすぎないか・窮屈でないかを確認しましょう。

また、どうしてもフィットする靴が見つけにくい場合には、シューフィッターのいる店でフィッティングを受けるのもよいでしょう。

血行不良により、足の指の毛細血管まで血液が届かなくなると冷えを起こします。特に、足の指のような末梢(まっしょう)は冷えを感じやすく、冷えが強いことで痛みのように感じることもあります。

冷え・血行不良を防ぐには

足の冷えを感じやすい人の場合には、夏であっても靴下を履くなど、冷やさないようにすることが大切です。また、足指をマッサージするなど、血行を促すのもよいでしょう。

自分でできる対処法を行っても足の指の痛みが治らないときには、思いもよらぬ原因が潜んでいる場合もあります。一度、病院で相談してみましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。