足の裏が熱い:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
足の裏が急にほてり、熱くなると病気ではないかと不安になる人は多いことでしょう。実際に病気が原因で起こることもありますが、日常生活が原因で起こることもよくあります。
このような場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
足の裏が熱い場合に考えられる病気としては、以下が挙げられます。
なんらかの刺激物質が皮膚に接触して起こる接触性皮膚炎(かぶれ)、細菌などによる皮膚の感染症などが足の裏に発症すると、足の裏が熱くなることがあります。
接触性皮膚炎は「ある特定の場所にできる」「繰り返しできる」のが特徴で、接触した部分に熱感のほか、痛みやかゆみ、腫れ、プツプツと盛り上がった発疹などが伴う場合もあります。皮膚の感染症においても、痛みやかゆみ、腫れ、発疹などが典型的な症状です。
個人差がありますが、発熱は一般的に体温37.5度以上(成人の場合)を指します。発熱の原因の多くがウイルスによる風邪で、発熱すると全身に熱を帯びますが、末梢部分である足の裏がやけに熱く感じるということもあります。
風邪であれば多くの場合、発熱のほかに咳や喉の痛み、鼻水などの症状が伴います。また、高熱になると関節痛や筋肉痛がよく起こります。
閉経前後の5年間を更年期といい、この期間に現れる症状を更年期症状、その中でも日常生活に支障をきたすものを更年期障害といいます。
更年期障害ではさまざまな症状が出現しますが、よくみられる代表的なものが「ホットフラッシュ」です。ホットフラッシュとは、体のほてりや頭・顔ののぼせのことをいい、足の裏がほてって熱く感じる人もいます。
他の症状でよくみられるものとしては、身体症状(動悸・手足の冷え・肩こり・めまい・頭重感など)、精神症状(うつ傾向・不眠・不安・情緒不安定など)があります。
自律神経失調症とは、ストレスなどが原因となって自律神経が乱れ、さまざまな症状が現れる状態の総称です。
代表的な症状は、体や手足のほてり、のぼせ、動悸、不安、情緒不安定など、更年期障害に似ています。
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気のことで、女性によく起こるといわれています。
症状には個人差がありますが、ほてりやのぼせ、疲れやすくなる、脈が速くなる、動悸、甲状腺の腫れ、眼球突出(目が出る)、手の震えなどがよくみられます。ほてりに関しては体全体に起こるのが一般的ですが、足の裏に起こることもあります。
足の裏が熱いという症状に加えて、何かしら気になる症状があれば一度病院を受診することを考えましょう。
専門の診療科が原因によって異なるため、まずは近くの内科やかかりつけの医療機関などで相談してみるのもよいでしょう。
診察時に、症状がいつから続いているのか、どういった時に熱くなることが多いのか、他にどのような症状があるかを具体的に伝えると医師の参考になります。受診する前にメモをとるなどしてまとめておくとスムーズです。
足をよく使った時や眠い時など、日常生活において足の裏が熱くなることもよくあります。
運動や立ち仕事などで足をよく使った時、足の筋肉の血管が拡張して筋肉血流量が増加します。この血流量の増加に伴って筋肉の温度が上昇し、足の裏が熱く感じるようになることがあります。
マッサージが筋肉の疲労回復に、アイシング(冷やすこと)が筋肉痛の予防に効果があるといわれています。
立ち仕事などで足をよく使った時には、マッサージをして筋肉の疲れをとってあげましょう。ただし、筋肉を傷めないよう軽めに行うことが大切です。
また、激しい運動やスポーツをした直後には、筋肉痛の予防としてアイシングを行うとよいでしょう。
眠気は体の奥の深部体温が下がってくることで起こり、深部体温が下がって1~2時間のうちに自然な眠気が出現するといわれています。
深部体温が下がるまでに、以下のような過程をたどると考えられ、このうちの(3)にあたるときに足の裏や手が熱く感じることがあります。
(1)体全体の血液が手足の末梢部分に移動する
(2)末梢部分の血流量が増加する
(3)末梢部分の皮膚温が上昇する
(4)末梢部分から熱が放散される
足の裏の熱さやほてりがいつまでも続く場合、思いもよらぬ原因が潜んでいる場合もあります。一度医療機関で相談してみましょう。