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インタビュー

エボラウイルス感染症(エボラ出血熱)の診断方法

エボラウイルス感染症(エボラ出血熱)の診断方法
青柳 有紀 先生

ダートマス大学 Clinical Assistant Professor of Medicine

青柳 有紀 先生

エボラウイルス感染症(いわゆる「エボラ出血熱」)は、エボラウイルスに感染することによって起こる致死性の高い感染症です。2014年以降西アフリカを中心に感染が流行し、世界中を震撼させました。

エボラウイルス感染症の診断は、どのように行われるのでしょうか。感染症のエキスパートである青柳有紀先生に伺いました。青柳先生は米国で感染症医としてのトレーニングを積んだ後、アフリカに渡り、現在はルワンダで日々診療にあたっていらっしゃいます。

私は現在ルワンダで暮らしていますが、ルワンダはウガンダやコンゴなど、過去に何度もエボラウイルス感染症の流行を起こしている国々と国境を接しています。エボラウイルス感染症を適切に診断することは、ルワンダで医療に従事している私たちにとってはとても切実な問題です。

日本では、厚生労働省がエボラウイルス感染症への対応に関する指示を出しています。それによれば、以下の条件を満たすときに、エボラ出血熱(エボラウイルス感染症)の可能性を考えて精査を行う必要があります(2015年5月21日現在)。

ギニアまたはシエラレオネの過去21日以内の滞在歴が確認でき、次のいずれかに該当する場合

  • 38℃以上の発熱症状がある者
  • 21日以内にエボラウイルス感染症患者(疑い患者も含む)の体液等(血液、体液、吐物、排泄物など)との接触歴(感染予防策の有無を問わない)があり、かつ、体熱感を訴えるもの

重要なことは、上記に該当するような方がいた場合、自ら医療機関を受診することは避けるということです。まず最寄りの保健所または検疫所に電話で相談し、保健所の職員が訪問するまでの間、自宅などその場で待機しなければなりません。

エボラウイルス感染症が疑われた患者さんに対しては、精査を行い確定診断する必要があります。

このとき、エボラウイルス感染症が疑われた患者さんの血液を採取して、エボラウイルスの抗原や、エボラウイルスに対して特異的な抗体が存在するかどうかなどを調べます。血液だけではなく、咽頭ぬぐい液(のどから採取する)や尿も検体として用いられます。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のガイドラインでは、マラリアの検査も初期段階で行うべきということが記されています。それは、エボラ出血熱(エボラウイルス感染症)の感染が発生している地域は、マラリアの流行地域でもありますし、「発熱、頭痛筋肉痛」などといったエボラ出血熱(エボラウイルス感染症)の初期症状がマラリアと似ていることから、マラリアとの鑑別が必要になるからです。

記事1:エボラウイルス感染症(エボラ出血熱)の原因―エボラウイルスとは
記事2:エボラ出血熱の致死率は70%?エボラウイルス感染症の高い致死率
記事3:エボラウイルス感染症(エボラ出血熱)が空気感染する可能性は?
記事4:エボラウイルス感染症(エボラ出血熱)の診断方法
記事5:エボラ出血熱の予防法と治療法
記事6:エボラウイルス感染症(エボラ出血熱)を通じて、皆さんに知ってほしいこと

  • ダートマス大学 Clinical Assistant Professor of Medicine

    青柳 有紀 先生

    国際機関勤務などを経て、群馬大学医学部医学科卒。米国での専門医研修後、アフリカ中部に位置するルワンダにて、現地の医師および医学生の臨床医学教育に従事。現在はニュージーランド北島の教育病院にて内科および感染症科コンサルタントとして勤務している。日本国、米国ニューハンプシャー州、およびニュージランド医師。

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