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インタビュー

デング熱とはどんな病気?旅行に行く前に知っておきたいこと

デング熱とはどんな病気?旅行に行く前に知っておきたいこと
青柳 有紀 先生

ダートマス大学 Clinical Assistant Professor of Medicine

青柳 有紀 先生

2014年の夏に日本国内でも代々木公園でデング熱が出たと大騒ぎになりました。
デング熱は本当に怖い病気なのでしょうか。アフリカのルワンダで感染症医として活躍する青柳先生にお聞きしました。

デング熱とは、デングウイルスというウイルスの一種によって起こる感染症です。

蚊にさされることで起こる病気であるというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、蚊はウイルスを運ぶ役割(媒介)を果たしています。ウイルスを持っているネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで、人に感染します。ヒトスジシマカはヤブ蚊とも呼ばれており、日本の東北以南に生息しています。

人から人への感染はありません。また感染したとしても、何の症状も出ないこと(不顕性感染)も多くあります。

デング熱は、マラリアなどと比べてもより広い地域で流行しています。蚊の媒介する疾患のなかでも、もっとも広い地域で流行しているのがデング熱です。

なかでもネッタイシマカの多く見られる、熱帯・亜熱帯地域、とくに東南アジア・南アジア・中南米・カリブ海諸国で見られています。全世界で毎年約1億人がデング熱を発症していると言われています。

デング熱の発生地域<br>(出典:国立感染症研究所)

デング熱の発生地域
(出典:国立感染症研究所)

国立感染症研究所のデータでは、海外でデング熱に感染した患者さんが日本国内でも毎年100名前後見つかります。日本人旅行者の感染が特に多くみられているのは、下記のように東南アジア、南アジアが多いようです。

インドネシア(79名)
インド(49名)
フィリピン(36名)
タイ(34名)
ラオス(17名)
カンボジア(12名)
(カッコ内はいずれも2010年感染者数)

デング熱は、日本人の場合海外旅行先で感染することがほとんど(輸入感染症)でした。しかし、2014年夏に代々木公園・新宿中央公園などの周辺で海外旅行をしていない方の感染が多くみられたため、日本国内が大騒ぎになりました。

ただしデング熱は、一部重症になる患者さんはいらっしゃいますが、基本的には自然に治癒する病気です。そこまで恐ろしい病気ではありません。

 

  • ダートマス大学 Clinical Assistant Professor of Medicine

    青柳 有紀 先生

    国際機関勤務などを経て、群馬大学医学部医学科卒。米国での専門医研修後、アフリカ中部に位置するルワンダにて、現地の医師および医学生の臨床医学教育に従事。現在はニュージーランド北島の教育病院にて内科および感染症科コンサルタントとして勤務している。日本国、米国ニューハンプシャー州、およびニュージランド医師。

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