現代、「依存」という言葉はさまざまなシーンで使われます。しかし、「依存症」となると、これは精神医学における病気です。実際、この依存症とはどのような病気なのでしょうか? 依存症の歴史や「依存症」の指す範囲について、日本の精神医学におけるオピニオンリーダーである京都大学精神医学教室教授の村井俊哉先生にお話をお聞きしました。
まず、もともとの依存症の歴史をたどってみましょう。
元来、依存症とは物質に対する依存症のみを指す言葉でした。精神医学において、病名は慎重につけなくてはいけません。ひとつ方向性を間違えると、人生に関連するもの全てを病気にしてしまうからです。だからこそ、シリアスに考えないといけない状態だけを病気と考えるのです。
物質依存症以外で病名に含まれているのが「ギャンブル依存症」である、ということは前回お話ししました。このギャンブル依存症は、アルコールやコカインに対する依存症とその特徴が似ており、なおかつ社会的な問題も大きいため、行為・過程依存症の中で特にギャンブル依存症のみが、物質依存症と関わりの深い病気として考えられるようになったのです。診断基準上、物質依存症と同じ章にギャンブル依存症が含まれることになったのは、2013年に出版されたDSM-5(米国精神医学会が定めた診断基準)以来のことです。ですから、ほんの数年前のことなのです。
DSM-5を作成する際、この中にインターネットゲーム依存症を病名として登録するかどうかという議論がありました。しかし最終的には、病名としては認定されませんでした。インターネットゲーム依存と同様に、買い物依存も診断基準に含まれていません。このように、病気とみなすかみなさないかの「線引き」が問題となる行為は、時代が変わり私たちが利用可能な技術が変わり、そして私たちの生活が変わると、次々に登場してきます。
そしてその都度、「どの状態を病名として登録してどの状態は登録しないか」は、ある程度恣意的な決定とならざるをえません。なお、パチンコ依存症はギャンブル依存症に含まれますので、現在の診断基準でも精神疾患ということになります。
では、インターネットでのゲーム依存症のほうがギャンブル依存症よりも病態として軽いのかというと、それはそうともいえません。ですから、近い将来にインターネットゲーム依存症を精神科の病名に含めるかどうかについては、現在真剣な検討課題となっているのです。
将来的には、私たちの生活は私たちが想像できないようなものに大きく変わっていくでしょう。たとえば、テレビが家庭に普及し始めたころは、皆がテレビ依存を心配したものでした。ところが現在では、ネット依存・スマホ依存などへの心配が、テレビ依存にとって代わるようになっています。
技術が発展してくると便利な商品がどんどん出てきます。それらの多くは、我々の好奇心を刺激してくるものです。そういったものとうまく付き合っている人は当然、依存症ではありません。
病名の線引きの問題は、物質依存症についてもいえることです。たとえば、「アイスクリーム依存症」「シュガーレスガム依存症」などという病気は精神科の病気としては存在しません(摂食障害という病名は存在しますが、これは症状が大きく異なります)。つまりここでも、ひとつの線引きが行われているのです。
アイスクリームやシュガーレスガムが含まれない一方で、タバコやアルコールへの依存症については、病名に含まれます(タバコ使用障害、アルコール使用障害、という名前が正式病名です)。そして近年では、カフェインへの依存症も、病名に入れるかどうかという議論があります。まだ含まれてはいません。このように、物質ひとつひとつをとっても、入っているものと入っていないものがあるのです。
関連の医療相談が13件あります
食欲不振とアルコール
ここ2週間ほど特に食事がとれません。せいぜい一日一食 。 たいしてこれに危機感も感じておらず、ぼーっとした状態をもて余しながらアルコール摂取しております。 現状として改善すべき状況なのか、教えてください。
下剤の服用について
下剤を規定以上服用しています。 下剤に依存し痩せ願望があるからです。 病院に受信するにも実習が重なりタイミングが見つからないので現在の症状をせめて改善したく相談しました。 下剤を5錠以上は2日に1度服用しています。 服用歴は4年か5年くらいだとおもいます。 今年に入ってから下剤乱用後 3日間の腹痛 下痢 吐き気 胸の圧迫感? 息苦しさが 3日から4日続きます。 下痢は下剤乱用すると必ずなってたのですが、今年は3日間ずっと下痢状態です。 どうゆう常体なのでしょうか、 なのにやめるべきことができなのです 病院への受診は7月になりそうでそれまで下剤を我慢できそうにありません。
買い物依存症?
ここ何年か、身体の不調や家庭、仕事が上手くいかなかったりのストレスから、ネットで買い物をしてカード払いにする為、借金が増えてしまいました。またその借金の返済に苦労してストレスが溜まり、発散のために同じ買い物行動を繰り返してしまいます。 やめようと思っても意志が弱いのかダメなんです。 自分は病気じゃないかと考えるようになりました。
肝門部胆管がんステージ4の寛解に向けた今後の治療方法について
2024年4月の血液検査でガンマーGTが350を超えていて、ALPも250くらい、主治医からは肝臓でしょう、飲みすぎ等の指摘受けましたが、念のために5月上旬に再度検査受けて、連絡なかったので安心していたら腹部膨張感を感じたのが5月中旬、尿がすこしずつ黄色になったのが5月25日くらい、5月31日黄疸症状がありCT検査より胆管がんの疑いありと診断され、大分別府(自宅のある)の大学病院で再検査、6月3日より入院検査、胆管がんステージ4の確定診断、それからステント ERCPの治療、膵炎や薬物アレルギー、胆管炎をおこしながらも、6月17日より イミフィンジ(免疫阻害チェックポイント剤)とランダ、ジェムザールの抗がん剤の治療開始、当初は副作用、脱毛、口内炎、便秘等あったがクールがすすむにつれて改善、白血球(好中球)減少はあるものの、6クールまで進捗している、8月22日の造影CTで当初3センチほどの腫瘍は2.5センチ、10月18日の造影CTでは更に腫瘍が小さくなり2センチ、リンパ転移も縮小、播種なしの状態、身体もすごく調子が良い状態です、8クールまでは今のままの治療で、そこからはイミフィンジだけで経過観察していくとの事です、根治、寛解に向けて他の治療方法はないでしょうか、例えば重粒子や陽子線等 部分寛解まできているので完全寛解を目指していきたいと思います
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「依存症」を登録すると、新着の情報をお知らせします