インタビュー

セカンドオピニオンの重要性——心臓手術を受ける際は自分で考えて医師を選ぶ

セカンドオピニオンの重要性——心臓手術を受ける際は自分で考えて医師を選ぶ
渡邊 剛 先生

ニューハート・ワタナベ国際病院 総長

渡邊 剛 先生

心臓はヒトがたった一つしか持たない重要な臓器です。もしもその大切な心臓が冒されてしまったら、本当に信頼できるお医者さんに診てもらいたいと思うのではないでしょうか。ニューハート・ワタナベ国際病院総長の渡邊剛先生は、本当に安心して治療を受けていただくために、セカンドオピニオンが大切だとおっしゃいます。セカンドオピニオンの重要性について、渡邊先生にとっての心臓手術への思いを踏まえてお話していただきました。

私が医者として若手だったころ、心臓手術は丸一日の時間を要する手術でした。そのうえ、手術がうまくいったとしても脳梗塞などの合併症で死んでしまう患者さんが多かったのです。つまり、心臓手術は非常にチャレンジングな手術でした。

そのような現状のもと、「自分のもとに歩いてやってきた患者さんは100%歩いて帰してあげたい」という思いが常に心にありました。
それから私は手術の経験を4000例以上積み、今では年間350以上の手術実績を持ちます。今までもこれからも、完成度の高い手術を目指してきました。同時に、世の中の心臓手術のレベルも上がってきたように感じています。

現在、私は手術の成功率99.5%を実践してきており、この数字とダヴィンチ(医療用ロボット手術機器)手術が代名詞となっています。
しかし、患者さんは99.5%では満足しません。患者さんが求めていらっしゃるのはあくまで100%です。ですから、100%に近づけるために何ができるかを常に考え続けています。

例えば日帰り手術はそのひとつです。それから全身麻酔をかけない、局所麻酔による手術も検討しています。これらの工夫を施すことによって、患者さんの心身の負担が減り、合併症も減っていきます。
体に血液を入れたり麻酔をかけたり、手術には非日常的なことがたくさんあります。それをなるべく減らしていき、小さな傷を外来で縫うような手術と同じ程度の負担しかかからない心臓手術をできればと考えています。

ニューハート・ワタナベ国際病院には、どこの病院に行っても手術を受けてもらえず断られてしまったような患者さんもいらっしゃいます。このような患者さんは、どうしても危ない人を除いて診るようにしています。様々な病院で断られてしまった中でも、助けられる人はいるはずです。

現代の医療は非常に閉鎖的です。医師は絶対的存在であり、ひとりの医師に診てもらっていたらその医師がすべての判断基準になってしまっている現状があります。

しかし、人の心臓は一個しかありません。もしも患者さんが、その先生が提示した手術内容に納得できなかった場合、「先生の機嫌を損ねないように」「見捨てられないように」と十分に受け入れられない状況で手術を受けるくらいなら、セカンドオピニオンを求めていろいろな先生の意見を聞いてみたらいいのではないでしょうか。

今は、患者さんも一緒に医療を選択する時代です。閉鎖的だった病院は、いずれ患者さんの信頼を失い、淘汰されていくかもしれません。

大事なことはやはり、患者さんがご自身で判断して、よく医者を選ぶことです。今の医師に悪いからと言って、セカンドオピニオンを求めることに躊躇しないでください。医療は皆が皆にとって同じではありません。
繰り返しますが、人の心臓は一つしか存在しません。医師にすべてを頼らず、ご自身で「本当にこの治療でいいのか」「本当にこの病院でいいのか」をよく考えてから手術を受けることが大切です。もし迷いが生じたら、セカンドオピニオンをお勧めします。

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