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インタビュー

公開日 : 2016 年 02 月 14 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

突発性難聴とは-原因はいまだわかっていない

国際医療福祉大学三田病院 耳鼻咽喉科 准教授
鈴木 伸嘉先生

近年、芸能人やミュージシャンが突発性難聴を発症したというニュースを目にすることが多くなりました。老人性難聴とは異なり、誰にでも突然起こる可能性のある突発性難聴は、まだ原因が解明されていない難病のひとつです。国際医療福祉大学三田病院で難聴やめまい・耳鳴りに悩む患者さんの診療を多数手がけている鈴木伸嘉先生に、突発性難聴についてお話をうかがいました。

突発性難聴とは

突発性難聴は「文字どおり即時的な難聴、または朝、目が覚めて気づくような難聴」と表現されます。先天的な要因や明らかな原因もなく、健康で耳の病気を経験したことのない人が、突然に耳が聞こえなくなることをいいます。通常は片側のみ発症することが多い病気です。

2001年に厚生省研究班を中心に行った調査では、突発性難聴で治療を受けている人は年間で35,000人と推定され、1万人のうち2.75人という割合でした。発症年齢については30~60歳代が中心で、特に50歳代が多くなっています。男女差はほぼありません。また、生活調査では以下のような人に突発性難聴の発症が多いとされています。

  • 睡眠不足や朝食を食べないなど不規則な生活の人
  • ストレスが多い人
  • 欧米型食生活の人
  • 葉酸欠乏や糖尿病、多量の飲酒、疲労の蓄積がある人

(※難聴の関連記事:岩崎聡先生「難聴とは―軽視できない重大な障害」

突発性難聴の原因

突発性難聴の原因はまだ分かっていませんが、これまでの研究では内耳循環障害とウイルス性の内耳炎が関与しているのではないかと考えられています。

①内耳(蝸牛)循環障害説

  • 血栓・塞栓による血管の詰まり
  • 出血
  • 血管のけいれん(ストレスによる)
  • 糖尿病(リスクファクターとして)

しかしこの説では、若年層にも発症し、また突発性難聴の多くが再発していないという事実をうまく説明することができません。

②ウイルス感染説

  • 突発性難聴の発症前に感冒(風邪)の症状が多くみられる
  • 突発性難聴は再発がほとんどなく1回限りである
  • おたふくかぜやはしかなどのウイルス疾患が突発性の高度難聴を引き起こすことが知られている

ムンプス(流行性耳下腺炎)難聴で片側の高度難聴をきたすことはよく知られており、実際に突発性難聴の7%はムンプスの不顕性感染(病原菌に感染したにもかかわらず症状が現れないこと)であるとする報告もあります。しかし、突発性難聴のほとんどのケースでは原因となるウイルスを特定するまでには至っていないのが現状です。

このほか、自己免疫的な病態が関わっているとする考え方もいまだ少なくありません。

 

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