近年、芸能人やミュージシャンが突発性難聴を発症したというニュースを目にすることが多くなりました。老人性難聴とは異なり、誰にでも突然起こる可能性のある突発性難聴は、まだ原因が解明されていない難病のひとつです。国際医療福祉大学三田病院で難聴やめまい・耳鳴りに悩む患者さんの診療を多数手がけている鈴木伸嘉先生に、突発性難聴についてお話をうかがいました。
突発性難聴は「文字どおり即時的な難聴、または朝、目が覚めて気づくような難聴」と表現されます。先天的な要因や明らかな原因もなく、健康で耳の病気を経験したことのない人が、突然に耳が聞こえなくなることをいいます。通常は片側のみ発症することが多い病気です。
2001年に厚生省研究班を中心に行った調査では、突発性難聴で治療を受けている人は年間で35,000人と推定され、1万人のうち2.75人という割合でした。発症年齢については30~60歳代が中心で、特に50歳代が多くなっています。男女差はほぼありません。また、生活調査では以下のような人に突発性難聴の発症が多いとされています。
(※難聴の関連記事:岩崎聡先生「難聴とは―軽視できない重大な障害」)
突発性難聴の原因はまだ分かっていませんが、これまでの研究では内耳循環障害とウイルス性の内耳炎が関与しているのではないかと考えられています。
しかしこの説では、若年層にも発症し、また突発性難聴の多くが再発していないという事実をうまく説明することができません。
ムンプス(流行性耳下腺炎)難聴で片側の高度難聴をきたすことはよく知られており、実際に突発性難聴の7%はムンプスの不顕性感染(病原菌に感染したにもかかわらず症状が現れないこと)であるとする報告もあります。しかし、突発性難聴のほとんどのケースでは原因となるウイルスを特定するまでには至っていないのが現状です。
このほか、自己免疫的な病態が関わっているとする考え方もいまだ少なくありません。
なのはな みみ・はな・のどクリニック 院長
関連の医療相談が22件あります
突発性難聴の治療について
旦那のことなんですが突発性難聴と病院で言われて薬で治療して通院かまたは点滴で入院かと言われて左耳の高音が聞こえづらいのは治る可能性が低いと言われて治る可能性がないなら通院で薬の治療を選択してきたのですが大丈夫ですか?また仕事が工場で作業しているのですが音がうるさい環境なのですが大丈夫ですか?
突発性難聴の後遺症
1/1に左耳の突発性難聴を発症し、1/6よりステロイドによる治療を開始しました。ですが完全には回復せず、その後遺症で両耳の耳鳴りと左耳の耳閉感が残ってしまいました。 聴力は高音域以外は通常の聴力に戻り、高音域は40dB程の聴力です。 特に耳鳴りが辛く、高音のキーンという音が、一日中鳴り続いています。 とても不快で大音量が両耳で鳴っています。 治療方法が無いとお伺いしました。 どうにか症状に対処する事はできないのでしょうか。
突発性難聴について
旦那なのですが先週から左耳が耳鳴りがするといい病院に行ったところ突発性難聴と診断され聴覚検査したところ高音が聞こえにくいのは治る可能性が低いと言われたのですが本当ですか?
片耳のみ平均聴力90dB以上、人工内耳適応か
約半年前、勤務中に急に耳が聞こえなくなり、その日にかかりつけ医に診断してもらったところ突発性難聴と診断されました。1週間ステロイド剤(飲薬)を投与したが何も変化がなく、その後もビタミン剤の様な薬を2ヶ月飲みましたがこれも変化なく病院からはこれ以上何もできませんと言われました。 私自身片耳が全く聞こえなくなって、やはり少なからずは生活に支障がでます。 諦めきれずインターネットで調べ人工内耳の事を知り突発性難聴にも人工内耳が有効なのか、また手術可能かを知りたい。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「突発性難聴」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。