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インタビュー

画像でみる薬疹の症状 3種類の重症薬疹とは?

画像でみる薬疹の症状 3種類の重症薬疹とは?
相原 道子 先生

横浜市立大学附属病院 病院長 、横浜市立大学 医学部皮膚科教授、横浜市立大学 大学院医学研...

相原 道子 先生

薬疹は軽症であれば該当薬品の服用中止のみで軽快しますが、重症になると生命が危ぶまれるほどの症状が現れます。重症薬疹の代表に、スティーヴンス―ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症(TEN)、薬剤性過敏症症候群(DIHS)の3種類があります。本記事では、これら3つの重症薬疹について、横浜市立大学附属病院皮膚科教授の相原道子先生に解説していただきました。

スティーヴンス―ジョンソン症候群(SJS)は、全身に紅斑やびらん、水疱を発症する重篤な皮膚疾患です。後述する中毒性表皮壊死症とならび、薬疹の重症例の一つでもありますが、ウイルスやマイコプラズマ感染によって起こることもあります。

治療には入院が必要で、熱傷専門治療室で治療を受けなければなりません。処置が遅れると命の危機も考えられます。スティーヴンス―ジョンソン症候群(SJS)を引き起こす頻度が高い薬は、ペニシリン系やセフェム系などの抗菌薬、カルバマゼピン、フェニトイン、ラモトリギンといった抗けいれん薬、非ステロイド系抗炎症薬や感冒薬、アロプリノールなどです。

咳、頭痛、体の痛みなどの症状が出た後に、突然赤い発疹が顔や胴体に出現し、広がっていきます。体表の10%未満にびらんが発症しているものをスティーヴンス―ジョンソン症候群(SJS)と呼びます。水疱がしばしば口腔内部、喉、肛門、性器、眼などの粘膜にあらわれ、すぐに破れてしまいます。これによって食事が困難になったり、眼が開けられなくなったり、排尿痛を生じたり、下痢を起こしたりします。また、唇に潰瘍がみられることもあります。

左:体幹の浮腫性紅斑と水疱 右:口唇の出血性びらん(厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアルより引用)

重症の場合は、原因となっている薬を中止したあとも症状が悪化する可能性があるため、ステロイド薬の投与が不可欠になります。入院し、ステロイドを大量に投与する治療(ステロイドパルス療法)が適応されることもあります。

中毒性表皮壊死症(TEN)は、全身倦怠感や高熱、全身の紅斑とびらんが多発する重症疾患です。スティーヴンス―ジョンソン症候群から進展するケースが多く、皮膚のびらんや水疱など皮膚がはがれた面積が拡大すると中毒性表皮壊死症(TEN)と診断されます(欧米では皮膚全体の30%以上、日本では10%以上)。

中毒性表皮壊死症(TEN)も薬剤がきっかけになる薬疹の重症型ということができます。薬剤によって免疫学的変化が体に生じることから、皮膚粘膜に病変が現れると考えられており、活性化されたリンパ球から産生された炎症を起こす因子が、皮膚を攻撃するのではないかと推測されています。薬疹の中では最も重症とされ、死亡率も20~30%程度だといわれます。

基本的にはスティーヴンス―ジョンソン症候群(SJS)と同じような症状(全身症状、全身の発疹、水疱の出現など)があらわれますが、それに加えて表皮がより重篤に障害されることが特徴です。

全身の皮膚が炎症を起こして真っ赤になり、かすかに表皮に触れただけでも皮膚が大きく剥がれてしまい、体表の10%以上の皮膚がむけてしまいます。脱毛や爪の剥脱も生じます。中毒性表皮壊死症(TEN)は重症のやけどと類似しており、表皮がなくなってむき出しになった真皮部分から体液や塩成分が浸出します。そのため全身状態が悪化し、その部分からの感染症も非常に起こりやすくなります。肝臓、腎臓、肺、消化管などの内臓の障害を伴うことも多く、ここまで死亡率が高いのは感染症と臓器障害が原因です。目の症状が強いと、皮膚が治った後でも失明の恐れがあります。

左の2枚は発症時のスティーヴンス―ジョンソン症候群(SJS)、右端はその後に悪化して中毒性表皮壊死症(TEN)となった写真(厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアルより引用)

薬剤性過敏症症候群(DIHS)は、抗けいれん薬やサルファ剤、アロプリノール、メキシレチンなどの特定の薬へのアレルギー反応に加えてウイルス感染が関係する薬疹です。一般的には3週間~4週間で発症しますが、稀に数ヶ月たって発症することがあります。

薬剤性過敏症症候群(DIHS)は、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)が関与していることが分かっています。HHV-6は乳幼児期に感染することが多く、そのまま体内に潜伏します。しかし、そのウイルスが何らかのきっかけによって、再び増殖を始める(再活性化)ことがあります。薬剤性過敏症症候群(DIHS)では、原因となる薬でアレルギー性薬疹をおこしたことでウイルスの再活性化が促進され、それが重症化に繋がったと考えられます。

発熱とかゆみを伴う紅斑を初期症状として、リンパ腺の腫れ、白血球増加などがあらわれます。原因となる薬を中止しても悪化が続き、肝機能障害のほか、腎機能障害など様々な臓器障害を合併します。抗けいれん薬では原因薬以外の薬にも過敏に反応してしまうため、治療薬の選択が非常に難しい病気でもあります。また、一旦症状が治まっても、再び発熱や肝機能症などの症状がぶり返すことが珍しくないのもこの疾患の特徴です。

日本皮膚科学会のHPより引用 
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  • 横浜市立大学附属病院 病院長 、横浜市立大学 医学部皮膚科教授、横浜市立大学 大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学教授

    相原 道子 先生

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