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重症薬疹の治療と予後ー後遺症が残るケースもある
スティーヴンスージョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)などの重症薬疹は命が危ぶまれるほど重篤であり、集中的な治療が必要とされます。重症薬疹治療の第一選択肢はステロイドによる治療で...
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重症薬疹の治療と予後ー後遺症が残るケースもある

公開日 2016 年 02 月 26 日 | 更新日 2018 年 05 月 23 日

重症薬疹の治療と予後ー後遺症が残るケースもある
相原 道子 先生

横浜市立大学附属病院病院長 横浜市立大学医学部皮膚科教授 横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学教授

相原 道子 先生

スティーヴンスージョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)などの重症薬疹は命が危ぶまれるほど重篤であり、集中的な治療が必要とされます。重症薬疹治療の第一選択肢はステロイドによる治療ですが、ヒト免疫グロブリン製剤静注療法や血漿交換療法も場合によっては行われます。今回は重症薬疹の治療とその経過について、横浜市立大学附属病院皮膚科教授の相原道子先生にお話しいただきました。

原因薬剤の服用中止が第一

まずは速やかに疑わしい薬の服用を中止してください。皮膚が剥けているびらんのときには感染症対策を万全に行う必要があります。回復すれば、皮膚は色素沈着や脱失(色が抜けること)以外は元の状態に回復しますので、熱傷後のような皮膚移植は不要です。

ステロイドによる重症薬疹の治療 

内服およびステロイドパルス療法

ステロイド薬の投与は薬物治療の第一選択です。早期であれば、ステロイド内服(プレドニン60~100㎎/日)や点滴注射が行われます。ステロイドパルス療法(1日1gのメチルプレドニゾロンを投入する治療法)も有効です。

はじめはステロイドパルス療法のように短期的に大量のステロイドを投与して、症状がある程度進行しなくなった段階で徐々に減量していきます。ステロイド薬による治療効果が不十分な場合は、後述する免疫グロブリン製剤静注療法や血漿交換療法を併用します。

ヒト免疫グロブリン製剤静注療法

免疫グロブリンは血液中や組織液中に存在する物質で、自己免疫疾患や免疫不全、急性感染症に対して行われる治療法ですが、重症薬疹の治療にも適用される場合があります。ガンマグロブリンとして0.4㎏/㎏を5日連続で点滴静注し、保険も適応されている治療法です。

血漿交換療法

血漿交換療法とは、血液中にある血漿のみを交換する治療法です。これにより病因となる物質を選択的に取り除き、必要な血漿成分のみを補うことができます。

具体的には血液から血漿成分を分離したあとでその血漿を廃棄し、血漿成分を戻します(単純血漿交換療法)。これによって炎症のもとになっている薬剤および薬剤代謝物、炎症性サイトカインを除去することが期待できます。ただし血漿交換ができる施設は限られています。

重症薬疹の予後(経過)

重症薬疹の予後は、重症度の違いや発症前の基礎疾患、年齢、治療を始めるタイミングなどによって変わってくるため、一概に述べることができないのが現状です。

重症薬疹は臓器障害を伴うことも多く、スティーヴンス―ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)では特に呼吸器障害や消化管出血、肝障害、腎障害、そして最悪の場合は多臓器不全に至ることもあるため、注意しなければなりません。

日本では外国より死亡率は低いものの、スティーヴンス―ジョンソン症候群(SJS)の死亡率は約6%、中毒性表皮壊死症(TEN)の死亡率にいたっては重症薬疹の治療を専門としている施設であっても約20%と高く、多臓器不全や敗血症、肺炎などが死因となります。視力障害やドライアイなど目の後遺症を残すケースも見られます。さらに呼吸器障害や爪の変形を残すこともあります。

一方、薬剤性過敏症症候群(DIHS)では重篤な肝機能障害や脳炎、心筋炎、劇症型糖尿病などに注意が必要です。

1980年横浜市立大学医学部卒。西ドイツや米国で研究生活を送ったのち、横浜市立大学医学部皮膚科講師、准教授を経て、2008年同大学附属病院教授、2011年同大学大学院および医学部教授に就任。皮膚アレルギーに関して様々なマニュアルを作成しており、それらは厚生労働省のホームページにも掲載されている。

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