すてぃーぶんすじょんそんしょうこうぐん

スティーブンス・ジョンソン症候群

皮膚

目次

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概要

スティーブンス・ジョンソン症候群とは、薬を内服・注射することで生じる薬疹(やくしん)が重症化することで発症する病気です。

38度以上の発熱に加え、やけどの際にみられるような水ぶくれ、発赤、発疹などの症状が全身の皮膚や粘膜(口や粘膜)に現れます。薬に伴う副作用としては非常に重く、失明や、時には命にかかわることもあります。

そのため、早期に診断を行い、薬剤が原因の場合には該当する薬剤の中止、ステロイドや免疫グロブリン療法、免疫抑制剤の使用、血漿交換療法などを組み合わせた治療が必要です。

また、急性期の治療を乗り越えた後も、ドライアイや視力障害などの慢性的な障害を残す可能性があります。

原因

多くの場合は医薬品を原因として発症します。原因薬剤は広範囲にわたりますが、頻度が高いものには一部の抗生物質や解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬などがあります。

薬剤に関連して発症することが多いですが、マイコプラズマ感染症やウイルス感染などがきっかけになることもあります。

また、発症には、免疫の変化が関連していると推定されています。しかし、どのようなメカニズムで発症にいたるのか、具体的な統一見解は存在していません。

症状

スティーブンス・ジョンソン症候群は、薬剤の服用開始後どの時期でも発症する可能性がありますが、多くは2週間後に発症します。咳、頭痛、体の痛みなどの症状が現れた後に、突然赤い発疹が顔や胴体に出現し、広がっていきます。

皮膚では、やけどのようにびらん(ただれること)を形成します。さらに、口腔内や喉、眼、陰部などの粘膜にも水ぶくれやびらんが現れます。これによって食事が困難になったり、眼が開けられなくなったり、排尿痛を生じたり、下痢を起こしたりします。

また、唇に潰瘍(かいよう)がみられることもあります。さらに、38度以上の発熱もみられます。眼の症状は皮膚の変化と同時もしくは少し早めに生じ、眼の充血や涙、かゆみなどから始まります。

検査・診断

診断では、臨床所見が非常に重要です。主に、眼や唇、陰部などの粘膜病変を確認していきます。また、皮膚の所見も重要であり、紅斑(こうはん)およびやけどのような水ぶくれやびらんがみられます。

水ぶくれやびらんが皮膚の10%を超える場合は、中毒性表皮壊死症という別の薬疹と区別することが必要になります。さらに、発熱しているかどうかも重要です。

検査では、皮膚病変から得られた検体の顕微鏡検査によって、皮膚の特徴的変化を確認していきます。スティーブンス・ジョンソン症候群を一回の診察のみで診断することは難しいケースも多く、経過を追った評価が求められることもあります。

また、マイコプラズマやウイルスが原因になることもあるため、血液検査によって感染症の有無を評価する検査も必要になります。さらに、眼の損傷を評価するためにフルオレセイン染色と呼ばれる検査を用いた観察をすることもあります。

このほか似たような症状が現れる疾患に、多型紅斑重症型やブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群があるため、これらを除外することも大切です。

治療

薬剤が原因になっていることが多いため、該当する薬剤の中止が求められます。しかし、薬剤の中止のみでは症状を抑えることが難しい場合が多く、ステロイドや免疫グロブリン療法、免疫抑制剤の使用、血漿交換療法などを組み合わせた治療が適宜検討されます。

治療方針の決定には、皮膚病変の広さや粘膜の侵され具合などから重症度や進行の早さを判断することが必要です。

ステロイドの使用は、大量のステロイドを投与するステロイドパルス療法も念頭に入れて決定します。病状を抑え込むことができたら、漫然とステロイドの使用を継続することなく、症状の再燃(さいねん)(治まっていた症状などが再び悪化すること)がないことを確認しながら徐々に用量を減量していきます。

ステロイドによる治療中は感染症にかかりやすくなるため、抗生物質の使用も適宜検討します。ステロイド薬による治療効果が不十分な場合は、後述する免疫グロブリン製剤静注療法や血漿交換療法を併用します。

スティーブンス・ジョンソン症候群では、皮膚のびらんや眼の粘膜症状も併発します。そのため、病変局所に対する治療介入を行うことも重要です。具体的には、皮膚を清潔に保ちながら軟膏、ガーゼ、創傷被覆材などを使用します。眼の治療では、ステロイドや抗生物質が含まれた点眼薬を使用します。

また、呼吸器障害や消化管出血、肝障害、腎障害、また多臓器不全になることがあります。視力障害やドライアイなど目の後遺症、呼吸器障害や爪の変形を残すこともあるでしょう。

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