インタビュー

かぶれ(接触皮膚炎)の主な原因と予防方法

かぶれ(接触皮膚炎)の主な原因と予防方法
椛島 健治 先生

京都大学大学院 医学研究科 皮膚科学 教授

椛島 健治 先生

この記事の最終更新は2016年02月14日です。

私たちは日々多様な物質に囲まれて暮らしているため、接触皮膚炎は誰でもおこしうるありふれた病気です。この章では日用品の中でも、特にかぶれを起こしやすい原因とその予防方法について引き続き京都大学医学研究科 皮膚科学教室教授の椛島健治先生にお話をお伺いしました。

刺激性接触皮膚炎の場合、主な原因は日用品・化粧品・植物や食べ物・金属・医薬品・職業による特性が考えられます。具体的には以下のような原因があります。

日用品

シャンプー・リンス・ヘアカラー・育毛剤・洗濯用洗剤・ゴム手袋

化粧品

化粧水・乳液・パック・日焼け止め・アイシャドウ・マスカラ

チーク・口紅など

植物

食べ物

イラクサ・ニンニク・パイナップル・キウイフルーツ・アロエなど

金属

歯科治療用の入れ歯など

医薬品

坐薬・膣に入れる薬

職業による特性

美容師・パン屋・製菓系・自動車修理・農薬、酸、アルカリを扱う

アレルギー性接触皮膚炎の場合も、刺激性接触皮膚炎と同様に、主な原因は化粧品・植物・食べ物・金属・医薬品・職業による特性が考えられます。具体的には以下のような原因があります。

化粧品

化粧水・乳液・パック・日焼け止め・アイシャドウ・マスカラ

チーク・口紅など

植物

食べ物

ギンナン・アブラナ科・キク科・柑橘系など

金属

アクセサリー・硬貨・時計・革製品・塗料など

医薬品

抗生物質・ステロイド・目薬・消毒薬・保湿剤など

職業による特性

金属・ゴム・消毒薬などを扱うなど

接触皮膚炎の場合も、主な原因は化粧品・植物・食べ物・医薬品などが考えられます。具体的には以下のような原因があります。

化粧品

紫外線を吸収するタイプの日焼け止め

植物

食べ物

セリ科・柑橘系

医薬品

非ステロイド系消炎薬

原因が特定した場合、まずは生活の中で原因物質に触れないような工夫が必要です。たとえば、石鹸や洗剤による手の湿疹に対してはゴム手袋・ビニール手袋を装着したり、予防用のクリームを塗ることが有効なことがあります。ゴム手袋やビニール手袋だと汗でべっとりしてしまい不快な場合は、綿の手袋と重ねて使用してみてください。

化粧品や洗剤の場合は、それらに多くの化学物質が含まれていることが多く、商品によって成分も異なります。そのため違う商品に切り替えてみることをおすすめします。医薬品の場合は担当医に症状を相談の上、処方を変更してもらいましょう。

原因物質が特定できた方に対しては、その後もその物質に触れないような生活を心がけてもらっています。接触皮膚炎は、原因物質に対して体の中で攻撃をしかけるメモリーT細胞が原因で生じます。このメモリーT細胞は1度作られると何年も体の中に残り続けるため、その間に自然に治るということはありません。ただ、メモリーT細胞にも寿命があるため、長期間原因物質を避けていた場合、改善されるケースもあり得ます。しかしそれがどのくらいの期間なのか、またどの程度改善しうるのかということがわからないため、基本的には原因物質を避け続けるのが最善策といえます。

 

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