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副鼻腔炎とは―鼻の奥の空洞に起きる炎症
副鼻腔炎とは、鼻の奥の空洞に炎症がおきる病気です。ウイルスや細菌などの感染によって起こり、鼻汁や鼻づまりなどの症状を呈します。急性や慢性などのタイプがあるこの副鼻腔炎について、九州大学病院耳鼻咽...
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副鼻腔炎とは―鼻の奥の空洞に起きる炎症

公開日 2016 年 04 月 11 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

副鼻腔炎とは―鼻の奥の空洞に起きる炎症
澤津橋 基広 先生

九州大学耳鼻咽喉・頭頸部外科 講師

澤津橋 基広 先生

副鼻腔炎とは、鼻の奥の空洞に炎症がおきる病気です。ウイルスや細菌などの感染によって起こり、鼻汁や鼻づまりなどの症状を呈します。急性や慢性などのタイプがあるこの副鼻腔炎について、九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科講師の澤津橋基広先生にお話をうかがいました。

副鼻腔炎とは?

副鼻腔に炎症が起こり、鼻汁や鼻づまり、頭痛などの症状が現れる病気です

副鼻腔とは、頬や目の周りの骨に囲まれた空洞部分のことを指し、この空洞には前頭洞(ぜんとうどう)、篩骨洞(しこつどう)、上顎洞(じょうがくどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の四つがあります。

副鼻腔炎はウイルスや細菌などの感染によって起こり、急性副鼻腔炎と慢性の副鼻腔炎とに分けられます。急性の場合の原因のほとんどはウイルスによるもので、初期段階でうまく治りきらずに細菌が入りこんでしまったものを慢性の副鼻腔炎と考えていただければわかりやすいでしょう。

軽症の場合は抗菌薬をすぐに使うのではなく、当面は頭痛などの痛みがあれば痛みを抑えるといった、症状に対する治療(対症療法)を行うことが一般的です。ガイドラインにおいても、まずは2~3日様子をみて、自然に治癒しない場合に抗菌薬を投与することが推奨されています。

ただ、日本鼻科学会から出ているガイドラインも万能ではありません。抗菌薬に関しては保険適応外の薬剤が推奨されていることもあり、臨床の場に即していないところも少なからずみられます。多くが海外の論文などによる報告によって有効性が示されたものであることから、日本国内では承認されていないものもガイドラインの中に含まれているのです。

また、ガイドラインで推奨されている抗菌薬をそのまま常用量で投与すると、中途半端な作用となってしまい、細菌を全て叩くことができずに耐性化(薬に対する耐性ができて効かなくなること)してしまう可能性がでてきます。そこで、急性の副鼻腔炎に関しては「All or Nothing」、すなわち薬は使うか、または使わないかです。つまり、抗菌薬を使う場合には殺菌(抗菌)力の強い薬剤を一気に投与して一度に細菌を叩く、というのが基本的な考え方なのです。

一方、1か月以上症状が続いて治らない場合には慢性の副鼻腔炎が考えられます。このような場合には、抗菌薬を3か月間ほど続けて投与します。それでも治らない場合には、手術を検討するという流れになります。

抗菌薬投与に関しては注意が必要

最近は、抗菌薬に抵抗性のある細菌が増えている傾向にあるため、必要外の抗菌薬の使用は控えるというのが一般的な考え方です。どうしても抗菌薬を使用するという場合には、強力な薬剤、あるいは通常量の倍の量を投与するなど、工夫も必要となります。というのも、副鼻腔の粘膜というのは、薬剤の移行性(運ばれやすさ)が悪いからです。一般的に使われるニューキノロン系とマクロライド系の抗菌薬はわりと副鼻腔へと移行しやすいのですが、他のペニシリン系など殺菌効果の強いものに関しては移行性がよくないため、量を2倍、3倍に増やして投与しなければ組織にまで移行しないのです。

ただ、治療に関しては個々の医師の判断に任せられているため、主治医によって治療法が異なることも少なくありません。いまだに昔ながらの治療法をされている場合も少なからずあるようです。

 

九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科にて鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭などの上気道および気管を中心とした診療にあたっている。副鼻腔炎における外科的治療を専門とするほか、花粉症治療の研究にも取り組んでいる。現在、花粉症に対する腸管免疫療法として、飲んで治す花粉症のカプセル剤の製品化に向けて治験を進行中である。

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