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ニュース

公開日 : 2017 年 09 月 07 日
更新日 : 2017 年 09 月 08 日

2017年9月17日(日)9月18日(月・祝)に、昭和大学旗の台キャンパスにて第55回日本医療・病院管理学会学術総会が開催されます。今回は「社会の変化と医療・病院管理学」をテーマに二日間にわたって講演やシンポジウム、セミナー、パネルディスカッションなどが行われる予定です。本記事では、第55回日本医療・病院管理学会学術総会に向けた抱負を日本医療・病院管理学会会長 有賀徹先生にお話しいただきました。

日本医療・病院管理学会とは

日本医療・病院管理学会は、医療・病院管理学の発達を図り、保健・医療・福祉の発展に貢献することを目的とし、1963年に発足しました。発足当初は「日本病院管理学会」という名称でしたが、時代の変化とともに病院の管理だけでなく、高齢化や予防などさまざまな視点から医療全体の管理を見据えるべきであると考え、2008年より「日本医療・病院管理学会」と名称を改めました。

病院管理学とは

よい医療を展開するために組織的に医療を行う

「病院管理学」と聞くと医療施設を管理するというイメージを持つ方も多いでしょうが、私たちの考える病院管理学とは、個々の病院が地域においてよい医療を展開するために、どのような組織立てをするのかという意味で病院を管理していくことです。

日本では全国に先駆けて1952年、東北大学に病院管理学講座が開かれましたが、その後病院管理学は大きな発展を遂げることはありませんでした。残念ながら医療経済や社会保障などマクロな視点での病院管理はしばしば語られますが、個々の病院管理・病院という組織の在り方というのはそれほど重要視されていないのが現状といえるでしょう。

今回の学術総会では、まず医療・病院管理の概念を示したいと考えています。

チーム医療と医療・病院管理

日本では、2010年に厚生労働省による「チーム医療の推進に関する検討会」以降、チーム医療が推し進められてきました。チーム医療を効率よく行うためには、リーダーの役割が大事であると考える方が多いかもしれません。しかし私は、リーダーが組織を束ねやすい環境づくりこそが重要だと考えます。また、チーム医療はチームのなかだけで完結するものではありません。たとえば患者さんは手術が終わればICU(集中治療室)に入り、急性期の治療が終わればリハビリテーションを行う……といったように、医療はチームとチームがうまく連携し合うことで行われます。

つまり、チーム医療を効率的に行うためには、組織的な医療のあり方について理解している必要があります。

医療者の働き方と医療・病院管理

さらに、医療・病院管理は医療者の働き方とも密接にかかわっています。たとえば、現在医師という仕事は勤務時間が流動的です。患者さんの容態に応じて、一般企業でいうところの「残業」をすることは当たり前のようになっていますし、当直など自分の睡眠時間を削って行う業務も多々あります。これらの業務体制によって日本の医療の質は保たれているのです。そこで極端な話をしますと、医師の勤務時間がきっちりと午前9時から午後5時になった場合、医療の質を保つにはどうすればよいでしょうか。ここではタスク・シフティング(医行為の一部を移管すること)やタスク・シェアリング(業務の共同化)といったことなどが関わってくるといえます。さらにライフワークバランスやキャリアパスなども考えるべき点であるでしょう。つまり医療・病院管理を無視して医療者がどのように働くかということを考えることはできないのです。

本学会では、医療・病院管理と医療者の働き方について考える機会として、9月18日(月・祝)午前10時から「働き方改革の未来〜医療者についてどのようか〜」というテーマでパネルディスカッションを予定しています。このパネルディスカッションでは、小西竜太先生(関東労災病院)の基調講演をはじめ、4名のパネラーとともに医療者の働き方についてみなさんと考えていきます。