【院長インタビュー】

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患者さんが自宅に帰れる医療─豊見城中央病院の取り組み
豊見城中央病院は沖縄県豊見城市に位置し、社会医療法人友愛会の中で急性期医療の提供に尽力しています。友愛会は法人内で急性期医療からリハビリテーション、在宅医療など、患者さんが地域に帰ることができる...
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患者さんが自宅に帰れる医療─豊見城中央病院の取り組み

公開日 2018 年 11 月 06 日 | 更新日 2019 年 01 月 10 日

患者さんが自宅に帰れる医療─豊見城中央病院の取り組み
新崎 修 先生

社会医療法人 友愛会 豊見城中央病院

新崎 修 先生

目次

豊見城中央病院は沖縄県豊見城市に位置し、社会医療法人友愛会の中で急性期医療の提供に尽力しています。友愛会は法人内で急性期医療からリハビリテーション、在宅医療など、患者さんが地域に帰ることができる医療の提供をモットーとしています。また、2020年には、豊見城中央病院の急性期医療を引き継ぎ、さらに機能を充実させた新病院の竣工を予定しています。同院について、また、新病院の機能について院長の新崎修先生にお話を伺いました。

豊見城中央病院とは?

 

豊見城中央病院外観(豊見城中央病院よりご提供)

豊見城中央病院は、急性期医療から慢性期の在宅医療を一貫して提供する友愛会の施設の中で急性期医療の提供を担っています。当院で急性期治療を行い、回復期リハビリテーション病床や地域包括ケア病床を有する南部病院で在宅復帰を目指したリハビリテーションを実施します。そして、患者さんがご自宅に帰ってからも在宅医療というかたちでサポートをしています。

医師だけでなく薬剤師や栄養士などのスタッフ一同が、患者さんを自宅にお帰しできるように努力し、積極的な多職種連携を行い、治療後も住み慣れた土地で生活が送ることができるように医療を展開しています。チーム医療を展開することで、患者さんに安心してよりよい医療を受けていただけるよう努力しています。

たとえば、救急搬送された患者さんがICU(集中治療室)での治療を受けているうちから、理学療法士・栄養士が医師のサポートにあたります。早い段階から多職種が治療のサポートをすることで、患者さんのより早い回復が期待できます。

豊見城中央病院の診療

当院の診療科では、内科・外科をはじめ計145名の医師が勤務しており、各部門とも専門医も多くそれぞれが自分のつよみを発揮し、やりがいを持って診療にあたっています。(2019年1月現在)中でも、内科、外科、整形外科、脳神経外科や心臓血管外科は日々の診療から救急患者さんの受け入れまで幅広く対応しています。患者さんの容体によっては他科との連携が必要不可欠となりますが、当院は診療科同士の垣根も低く相談しやすい環境ができているため各科の医師同士が相談連携して患者さんにとってよりよい医療の提供をできることが強みです。

整形外科では、外傷などの救急患者さん受け入れのほかに、人工関節置換術や骨切り術なども実施しています。整形外科分野では、手の外科、肩関節や股、膝関節、脊椎などそれぞれの医師が得意な部位があり、自分の得意分野で専門性を発揮しています。

また、特に救急での循環器診療に関しては、循環器内科と心臓血管外科が連携しハートチームを形成し、小児以外のほぼすべての循環器疾患に対して対応しています。狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の救急患者さんに対してのPCI(冠動脈形成術)は、夜間でもすぐに治療が行える体制を整えて、断らない救急の実践をしており、心臓血管外科も大動脈解離などに対する夜間の緊急依頼であっても断らずに手術しています。これも麻酔科の先生方の強いバックアップがありはじめて実践できていることであり、本当に感謝しています。

麻酔科標榜医:藤村泰三先生

2020年の新築移転を控え、機能分化を進める

 

明るい受付ホール(豊見城中央病院よりご提供)

建物の老朽化や設備面の充実を図るために、2020年に豊見城市字与根に新病院の竣工を予定しています。新病院では、豊見城中央病院が担っている高度急性期医療をより充実させ、機能分化を実現させていきます。専門性の高い治療や急患に対する治療は新病院で行い、リハビリテーションなどのポストアキュートや、老人保健施設や在宅医療を受けている患者さんの容体が急変した際のサブアキュートの治療提供は南部病院に担ってもらい、機能分化を推進していきたいと思います。

新病院では、現在の医療提供に加え救急医療の充実やがん診療の強化をしていくためにさまざまな取り組みや設備面の充実を予定しています。救急医療であれば、若手のロールモデルになるような医師を迎え入れ、地域の救急医療だけでなく若手医師の育成にも今以上に力をいれるつもりです。

救急医療の充実

救急患者さんの受け入れをより充実させ、地域医療を守るために、救急医療に関するスペースを広々と確保する予定です。また、屋上ヘリポートも設置し、ドクターヘリを受け入れ可能にします。迅速な処置が必要となる三次救急を支えるために、多くの診療科で協力し、地域の救急医療に尽力していきます。

また、新病院ではハイブリッド手術室を新たに設置する予定です。ハイブリッド手術室とは、手術台に心臓血管撮影装置が組み合わせられた手術室のことです。従来の手術室では、手術室内に血管撮影装置が設置されていないことが多く、手術中に出血した部位の確認のためには患者さんを血管撮影室まで移動させる必要があります。ハイブリッド手術室では、移動をせずに、手術やカテーテル治療を実施することが可能になります。

救急医療の充実、ハイブリッド手術室を設置することで、地域の高度急性期医療の提供に今以上に貢献していきたいと思います。

がん診療の強化

がん診療の強化を図り、集学的治療を行える施設にしていきたいと考えています。現在、豊見城中央病院では放射線治療の設備がありません。新病院では放射線治療のための設備を導入し、実施していきたいと思います。手術・化学療法・放射線治療などがんに対しての一貫した治療を院内で実施できるようにしていきたいと思います。

がん患者さんが治療のために遠方に向かうことなく、地域で治療を受けることでき、ご自宅にお帰りいただけるように、より一層力を入れていきます。

スタッフが成長を感じ、やりがいを持って取り組む

チーム医療を実施するにあたり、スタッフが取り組む仕事の一つひとつにやりがいを持って取り組めるように配慮しています。当院のスタッフはモチベーションも高く、率先してほかの職種のスタッフと連携を取り、行動しています。医師であれば、診療科同士の垣根が低く、判断に困ることがあれば他科の医師でも相談に乗っています。院長として、彼らがやりがいを感じる環境を整え、サポートしていくことが私の使命のひとつだと強く感じています。

また、今後は院内の事務スタッフなどの支援部門に所属するスタッフに対するキャリアパスを検討しています。事務スタッフは明確な目標を立てることが難しい職種ですが、彼らが病院を支えるスタッフの一人であるということを実感してもらい、さらに自身の能力を高めていける環境を作っていきたいと思います。

スタッフが一丸となって日々の業務にあたり情報を共有することで、改善しなくてはならない部分が減り、よりよい医療の提供につながっていると実感しています。

課題にはスピード感を持って対応する

どこの病院にもあると思いますが、病院内ではさまざまなトラブルや課題があります。当院では、そういったことに関してスピード感を持って解決にあたれるよう努力しています。寄せられた課題については、できるだけ私自らが直接現場の状況を把握し、よりよい解決方法はないのか、どのようにしたらスタッフが働きやすい環境になるのか思案し、スタッフと意見を出し合います。

新崎先生からのメッセージ

若手医師へのメッセージ

 

地域医療を守るためには病院機能の充実とともに、今後の地域医療を担う若手医師の育成をしていかなくてはならないと実感しています。そのため、当院では若手医師の育成にも力を入れています。豊見城中央病院がどういった病院なのか、働いている医師たちはどのようなキャリアアップをしているのか、ぜひ一度見学してほしいと思います。診療科同士の垣根が低く、わからないことがあれば、他科の医師でも親身に相談に乗ってくれます。

縦のつながりも大切ですが、当院では医師の横のつながりを重視しているため、自身のキャリアアップを目指しやすいことを実感できるのではないかと思います。

地域の方へのメッセージ

豊見城中央病院は友愛会において急性期医療の提供に尽力しています。友愛会は地域の皆さまが病気になってもきちんと自宅に帰れるように、急性期医療からリハビリテーション、在宅医療や老人保健施設まで一貫した医療介護の提供を行えるようにしています。また、一貫した医療介護の提供は、地域の医療機関や周辺施設のご協力があってこそ成り立っています。

当院では、地域の医療機関や老人保健施設などへ時々訪問し、現場で困っていることはないか伺っています。我々ではなかなか気がつかないこともあり、解決していく課題のひとつとして参考にし、その課題を各医療機関や施設と一緒になって勉強会などで話し合うことで、各施設の事情などもわかり具体的な解決策を見つけることができます。

地域に求められるニーズや、皆さまが考えた提案を反映させることで、当院が地域において担うべき役割や、本来あるべき姿に変わっていけると思います。

1987年に琉球大学医学部医学科を卒業後、循環器内科の医師として研鑽を重ねている。2018年にかねてから副院長として所属している豊見城中央病院の院長に就任し、病院経営に携わりながら地域医療に貢献できるように診療もしている。また、今後の地域医療を担う若手医師たちへの育成にも熱い。