院長インタビュー

中小病院の利点をいかし、地域に愛される病院を目指す医療法人天和会 松田病院

中小病院の利点をいかし、地域に愛される病院を目指す医療法人天和会 松田病院
松田 忠和 先生

医療法人 天和会 松田病院 院長

松田 忠和 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

この記事の最終更新は2019年01月15日です。

岡山県倉敷市にある医療法人天和会 松田病院は、小回りが利く中小病院の利点をいかし、地域の医療の一端を担っています。「同じ医者が一貫して診療をする」という特徴や、がん治療への熱心な取り組みなどについて、同院の院長である松田 忠和先生にお話を伺いました。

 

医療法人天和会 松田病院 外観

当院は1955年に外科松田病院として、私の父が開設しました。当時は高度経済成長期であったため、労働災害による怪我や病気に対する救急医療を中心に、地域に貢献してまいりました。私が引き継いだ1985年頃からは、救急医療は大きな病院が行う時代へ変化していました。それ以降は、さらに病院機能の充実を進め、がん医療の特化に取り組み、現在に至ります。

患者さんの目線に立ち、患者さんの体に手を当てる、文字通り「手当て」をモットーに診療しています。敷居の低い、地域に愛される病院として、これからも力を尽くします。

 

医療法人天和会 松田病院の医師

当院の外科、消化器外科、肝臓・胆のう・膵臓外科は、診断から手術後の治療までを継続的に行える体制をとっています。また、1人の医師が一貫して診察を行い、小回りが利く対応を心がけています。たとえば、当院の肝臓の疾患に関しては、私がすべてを担当しています。院長になった今でもしばしば夜間オンコールで対応しており、患者さんの中には、私が30年以上診ている方もいます。

ほかにも、当院の手術スタッフは、担当した患者さんの術後の容態を常に気にしています。患者さんが退院の際には見送りも行っています。

同じ医者が一貫して診療をすることで、治療に一貫性が生まれます。患者さんにとっては安心できる要素であり、大切なことだと当院は考えています。

近隣の倉敷中央病院、川崎医科大学附属病院と連携をしています。当院にはない診療科の対応が必要な場合は、すぐに紹介することが可能です。当院が診療できる範囲をきっちりと診療し、対応が難しい場合は他医療機関にお任せすることが、中小病院の役割であり、地域に貢献できる方法だと考えています。

 

手術中の様子

肝臓、胆道、膵臓に関する疾患の治療に積極的に取り組んでいます。悪性腫瘤に対する治療法としては、手術を主体として行っています。新しい手術方法が発表されれば、研究を重ねて取り入れています。ほかにはラジオ波、マイクロ波を使用した凝固療法や、動注化学療法を使用しています。

消化器疾患の検査としては、胃カメラを用いた検査(EGD)や大腸内視鏡検査(CF)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)などを行っています。

今後も引き続き医療技術を磨き、地域によりよい治療を提供していけるように努力していきます。

凝固療法…エコーやCTなどの超音波装置で腫瘍の位置を観察し、電極針を皮膚に刺して、その針からラジオ波・マイクロ波を発生させることで腫瘍を焼く治療方法。

動注化学療法…がん病巣にのみ、抗がん剤を投与する方法。がん病巣がどこか一部に限局しており、その部位に抗がん剤を投与することが可能な場合に限るが、がんに対する効果は高く、全身的な副作用も少なくて済むとされる。

当院では、2008年からERAS(Enhanced recovery after surgery)という方法を取り入れています。これは、術後の早期回復を目指す方法です。従来の術後療養よりも早い段階で、食事や水分の摂取や、リハビリテーションなどを行います。

ERAS*は、合併症の減少や、在院日数の短縮といった有効性があるとされていて、早期の社会復帰を実現できるだけではなく、患者さんの安全を損なうことなく医療費の削減も期待できます。

ERASはThe ERAS Societyの登録商標です

 

当院は、日本外科学会外科専門医制度修練施設、日本肝胆膵外科学会肝胆膵外科高度技能専門医修練施設A、日本消化器外科学会専門医修練施設として認定を受けています。本人の熱意さえあれば、一人前の医師に成長させることができる自信があります。私はもともと不器用な人間です。医師になった当初は、外科を専門分野に選択したことを間違えだと思ったほどです。しかし、そうした経験から、努力すれば一人前になれるということが身にしみてわかっています。当院のスタッフは仲がよく、みんなで一緒に頑張っていける環境です。ぜひ、当院で共に精進していくことができたら、と思っています。

この地域に、さらに必要とされる病院になるよう、日々意識しています。たとえば、当院では、ほかの病院に入院されていたエンドステージの患者さんや、移植手術を受けた患者さんも受け入れています。特に移植手術の術後は胆管炎を誘発したり、突然高熱を出したりすることも多々あります。そのため、当院のように、いつでもすぐに対応ができる病院というのは、地域にとって必要だと思っています。

困ったことがあったら、何か力になれれば、と考えています。今後も地域の方々のために、できる限り力を尽くしていきます。

受診について相談する
「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。
    実績のある医師をチェック

    Icon unfold more