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肺がんの放射線療法―リニアックを用いたIGRTとは

肺がんの放射線療法―リニアックを用いたIGRTとは
田村 厚久 先生

国立病院機構東京病院 呼吸器センター 部長

田村 厚久 先生

目次
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肺がんの放射線療法は、手術に次いで根治を目指すことのできる治療法です。NHO東京病院では、放射線療法を行うにあたりリニアック(医療用直線加速器)を用いたIGRT(画像誘導放射線治療)で、照射位置精度を向上させる取り組みを行っています。呼吸器センター部長の田村厚久先生に、放射線療法の流れと副作用、実際にNHO東京病院で行われている放射線療法についてお話しいただきました。

放射線療法は、照射の程度と治療目的により根治照射と緩和照射の2種類に大きく分かれます。根治照射とは、標準手術※ができない場合の代用手段として、がんの根治を目的に行われる照射です。進行がんの患者さんに薬物療法と併用して照射する場合や、手術前後に照射する場合もあります。一方、緩和照射は、骨転移による痛みや脳転移による意識障害などの苦痛を伴う症状を予防・緩和する目的で行われます。

当疾患を扱う医学会内で編成された委員会の検討を経てエビデンスが証明された、第一選択としてもっとも推奨される治療法のこと。

放射線療法では体に放射線をあてるため、皮膚や内臓にやけどのような症状がみられる場合があります。副作用や合併症として主にみられる症状は、皮膚炎食道炎・放射線肺臓炎などです。

照射した部分の皮膚が赤く変色します。皮膚症状は治療終了後2週間~1か月前後で軽快しますが、色素沈着がみられることもあります。

食道粘膜が障害され、食事の際に痛みや喉のつかえを感じます。照射終了後に自然治癒するため、通常は食道炎が起きた場合でも粘膜保護剤を処方して経過観察をしながら照射を続けます。炎症がひどく液体の嚥下も困難になった場合は、放射線治療を一時休止します。

放射線肺臓炎は多くの場合、治療終了後から半年くらいまでの間に起こる遅発性の合併症で、肺機能の低下や呼吸困難、咳といった症状がみられます。中でも放射線を直接照射した部分以外にも肺臓炎が広がるほど重篤な場合は、入院治療が必要です。

本項では、当院における放射線治療の流れをご説明します。

放射線治療が決定した場合は、数日以内に放射線診療センターで診察します。この際に、放射線治療の目的や副作用について、担当の放射線科医から30~60分程度の説明が行われます。説明をお聞きいただき、治療方針について同意いただければ、同日または翌日に計画CTを撮影します。CT撮影後、照射位置の確認を行ったうえで放射線治療を開始します。

照射回数は個々の患者さんの状態によって異なります。

リニアック
NHO東京病院で使用しているリニアック

小さながんの場合、少しでも照射位置がずれれば、正常な組織に放射線によるダメージが及んでしまう恐れがあります。そのため、放射線治療の際は、正確に照射位置を決めることが大切です。

そこで重要になるのが、IGRT (画像誘導放射線治療)です。IGRTとは、2方向以上の照射画像に基づいて照射位置を照合することで、照射位置の精度を向上させる技術を指します。

当院では、2016年10月に、新しい放射線治療機器であるリニアック(医療用直線加速器)を導入しました。リニアックには、画像誘導放射線治療(IGRT)を正確に行うための位置ずれ補正装置(XVI:X-ray Volume Imaging)を搭載しています。IGRTを導入することで、治療計画時に決定した照射位置に可能な限り近い場所への照射が可能になりました。

また、さらに正確に位置を定めるために、必要に応じて治療開始前に2回CT撮影(位置決めCT・治療直前CT)を行うこともあります。

がん医療では、がんそのものを治すことはもちろん、がんによる痛みや苦痛へのケアも大切です。当院の緩和ケア病棟では、がんで入院されている患者さんの症状のコントロールに放射線治療が適していると判断した場合、積極的に緩和照射を行っています。

放射線治療はあらゆる性質・段階の肺がんに対して適応できる治療法です。そのため放射線治療を行う際は、患者さんがどのように肺がんと向き合いたいと考えておられるかをお聞きしたうえで治療方針を決めていきます。がんを根治させたい場合は根治照射、がんによる苦痛を緩和したい場合は緩和照射と、患者さんの希望によって柔軟な対応を心がけています。治療に関してご希望がある場合、担当医にいつでもご相談ください。

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