インタビュー

「ありふれた病気」になりつつある認知症−その診療・ケアの重要性とは?

「ありふれた病気」になりつつある認知症−その診療・ケアの重要性とは?
熊谷 賴佳 先生

医療法人社団京浜会 京浜病院 院長

熊谷 賴佳 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年02月04日です。

65歳以上の高齢者における認知症有病率は徐々に上昇しており、2025年には20%に到達する見込みです。このように認知症が「コモン・ディジーズ(ありふれた病気)」と呼べる状況に近づきつつあるなかで、その診療・ケアの重要性は高まっています。

*詳しくは慢性期.comのページをご覧ください。

2012年、65歳以上の高齢者の認知症有病率は15%に達しました。さらに、その割合は2025年には20%に到達すると見込まれており、認知症は「コモン・ディジーズ(ありふれた病気)」と呼べる状況に近づきつつあります。このような点から、慢性期医療において認知症の診療・ケアは非常に重要なテーマといえるでしょう。

慢性期医療の特徴は、患者さん本人の意志や気持ちを取り入れながら治療を選択する機会が多くあることです。

ところが、認知症は症状として理解・判断力の低下があらわれることがあるため、医療従事者は、「患者さんの意志(判断)をそのまま治療選択に取り入れてよいのか、また、その意志を取り入れることで患者さんに有害事象が起こり得るのではないか」といった点をきちんと考える必要があります。

このことから、慢性期医療において、医療・介護者は、認知症の有無、症状の大きさを適切に判断(理解)し、それらに応じた行動・介護を行う必要があると考えます。そして、そのアプローチ方法は患者さんごとに異なる可能性がある点も付け加えておきます。

このように、慢性期医療において「認知症」は大きなテーマなのです。

熊谷先生

認知症は、大きく4つのタイプに分類できます。

4つのタイプはそれぞれ特徴的な症状を示し、治療・介護、対処法などが異なります。もし誤った診断をした場合、BPSD(認知症に伴う行動・心理症状)が悪化し、介護の現場や家族内で混乱した状態が続く可能性があります。

上記の理由から、認知症には正確な診断が求められています。しかしながら、実際には臨床症状による診断が基本になっている現状があるのです。そのため、今後、より高い精度で認知症を診断できる状況が望まれています。

 

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