65歳以上の高齢者における認知症有病率は徐々に上昇しており、2025年には20%に到達する見込みです。このように認知症が「コモン・ディジーズ(ありふれた病気)」と呼べる状況に近づきつつあるなかで、その診療・ケアの重要性は高まっています。
*詳しくは慢性期.comのページをご覧ください。
2012年、65歳以上の高齢者の認知症有病率は15%に達しました。さらに、その割合は2025年には20%に到達すると見込まれており、認知症は「コモン・ディジーズ(ありふれた病気)」と呼べる状況に近づきつつあります。このような点から、慢性期医療において認知症の診療・ケアは非常に重要なテーマといえるでしょう。
慢性期医療の特徴は、患者さん本人の意志や気持ちを取り入れながら治療を選択する機会が多くあることです。
ところが、認知症は症状として理解・判断力の低下があらわれることがあるため、医療従事者は、「患者さんの意志(判断)をそのまま治療選択に取り入れてよいのか、また、その意志を取り入れることで患者さんに有害事象が起こり得るのではないか」といった点をきちんと考える必要があります。
このことから、慢性期医療において、医療・介護者は、認知症の有無、症状の大きさを適切に判断(理解)し、それらに応じた行動・介護を行う必要があると考えます。そして、そのアプローチ方法は患者さんごとに異なる可能性がある点も付け加えておきます。
このように、慢性期医療において「認知症」は大きなテーマなのです。
認知症は、大きく4つのタイプに分類できます。
4つのタイプはそれぞれ特徴的な症状を示し、治療・介護、対処法などが異なります。もし誤った診断をした場合、BPSD(認知症に伴う行動・心理症状)が悪化し、介護の現場や家族内で混乱した状態が続く可能性があります。
上記の理由から、認知症には正確な診断が求められています。しかしながら、実際には臨床症状による診断が基本になっている現状があるのです。そのため、今後、より高い精度で認知症を診断できる状況が望まれています。
医療法人社団京浜会 京浜病院 院長
医療法人社団京浜会 京浜病院 院長
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医日本医師会 認定産業医
大学医局所属の勤務医として修業したのち、家業である病院の3代目として地元に戻る。脳神経外科医として一通りの学業を習得していたつもりだったが、町の病院では、全く別のものが求められた。それが認知症であった。そこから認知症との格闘が始まる。大学で研究されていたのは解剖学や病理学、薬理学ばかりで、実践的治療ましてや介護方法について解説したものはほとんどなかった。それなら自分でやってみよう、と思い立った。それには地域医療に対する理解も深めなければならないと医師会理事になり、会長まで勤め上げた。地元地域では、熊谷式認知症3段階ケアを実践する医師や看護師・介護士・ケアワーカーも多い。日本慢性期医療協会常任理事として、看護師のための認知症ケア加算講習会の講師を務めている。地元の大学病院や国立病院から講師依頼を受け、3回シリーズで講演活動も行っている。
熊谷 賴佳 先生の所属医療機関
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。