クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Brain
レビー小体型認知症
認知症とは、物忘れや、時間・場所が分からなくなる等の症状から、徐々に身の回りのことができなくなる病気ですが、その種類は多岐に渡ります。代表的な疾患としては「アルツハイマー型認知症」が有名であり、...
Male consulter resolved
クリップに失敗しました
脳

レビー小体型認知症れびゅーしょうたいがたにんちしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
閉じる

概要

認知症とは、物忘れや、時間・場所が分からなくなる等の症状から、徐々に身の回りのことができなくなる病気ですが、その種類は多岐に渡ります。代表的な疾患としては「アルツハイマー型認知症」が有名であり、認知症のおよそ半数を占めています。レビー小体型認知症とは、認知症の原因疾患としてアルツハイマー型認知症につぐ第2位の位置を占める病気です(認知症の原因の20%ほどと報告されています)。アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症に脳血管性認知症を加え、この三つは「三大認知症」として知られています。


レビー小体型認知症は主に65歳以上の高齢者に多くみられますが、30〜50歳代で発症する場合もあります。また、アルツハイマー型認知症は女性に多く、レビー小体型認知症は男性に多い傾向があります。レビー小体型認知症には家族例をみることは稀であり、多くの場合は弧発例です。
アルツハイマー型認知症では、物忘れを始めとしたいわゆる認知症症状が前面に出る病気ですが、レビー小体型認知症では認知症症状に加えて、幻視によって見間違いや思い違いが起こり、「夫が見知らぬ女性と仲良くしている」などといった「嫉妬妄想」がみられることもあります。また、その他の特徴的な症状としてレビー小体型認知症では「パーキンソン症状」と呼ばれるものが出現することが特徴的です。パーキンソン症状とは、別の疾患であるパーキンソン病でみられることの多い症状を指し、具体的にはふるえや、歩きにくいなどの症状のことです。
認知症としての側面に加えて、妄想や幻視などの精神症状や、パーキンソン症状といった特徴を有するレビー小体型認知症の治療は、必然的にこれら異なった性質をもつ症状に対しての治療を組み合わせて行うことになります。具体的には、アリセプトや抗精神病薬、抗パーキンソン病薬が使用されることになります。

 
より詳細には、こちらの記事を参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/160107-000011-PSOTPC
https://medicalnote.jp/contents/150128-000003-QBUXYC
https://medicalnote.jp/contents/150612-000002-FINCIP

原因

レビー小体型認知症は、「レビー小体」と呼ばれる異常なタンパク質が脳の各部位に蓄積することを原因として発症します。レビー小体とは、α−シヌクレインという線維性のタンパク質が凝集した円形の構造物であり、レビー小体が脳に蓄積すると神経細胞が変性したり、死に至ることになります。
レビー小体型認知症は認知症症状や幻視・妄想、パーキンソン症状が出現する病気ですが、レビー小体の蓄積する部位に応じてこれらの症状が引き起こされていると考えられています。脳の表面に位置する大脳皮質は、物事を考えたり見たり認識したりするためにとても重要なはたらきをしています。そのため、大脳皮質にレビー小体が蓄積すると物事の認知能力が低下することになり、妄想、幻視といった症状を引き起こすことになります。また、脳の中でも呼吸や血液循環といった生命の基本活動を担っている「脳幹」と呼ばれる部位が存在します。この部位には、手足などの運動を円滑に行うための機能を有する細胞も位置しています。レビー小体は脳幹(特に中脳黒質)にも沈着することが知られており、このことからパーキンソン症状が出現することになります。


レビー小体が脳に蓄積する原因のひとつに遺伝的な要因が挙げられます。レビー小体のもととなるα−シヌクレインに関する遺伝子に何らかの異常があり、健康な方に比べてα−シヌクレインができやすい体質である場合があります。しかしこの機序からレビー小体型認知症を発症する方は一部であり、遺伝的な要因を指摘されることなく病気を発症することも知られています。


より詳細には、こちらの記事を参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/160107-000017-RHZTZY
https://medicalnote.jp/contents/150128-000003-QBUXYC

症状

レビー小体認知症では、1)認知機能の動揺、2)幻視、妄想、3)パーキンソン症状、といった三つの症状が特徴的です。
認知機能の動揺とは、認知機能が時間経過と共によくなったり悪くなったりを繰り返すことをいいます。頭がはっきりしているときと、していないときの差が激しく、調子がいいときには通常通りの会話が成立しますが、頭の機能が鈍くなると、集中力や注意力が低下することになります。
レビー小体型認知症では幻視や妄想の症状をみることも特徴です。知らない人が隣に座っている、床に水が流れているなど、実際にありえてもおかしくはない幻視を訴えることがあります。これに関連して見間違えを起こすこともあり、被害妄想や思い違いをすることもしばしばです。具体的には、「虫がたくさんいるから殺虫剤をまく」、「夫が見知らぬ女性と仲良くしている」などです。
また表情が乏しい、前傾姿勢になる、歩くのが遅く小刻みになるといったパーキンソン症状をみることもあります。症状が強くなると、筋肉の拘縮を来すようになり、関節可動域の低下や歩行困難から寝たきりになることもあります。
その他、うつの症状が出たり、失神や便秘などの自律神経症状をみることもあります。また、睡眠障害も認めることがあります。最終的にはアルツハイマー病と似たような認知機能低下を示すようになります。また、嚥下機能の低下から誤嚥性肺炎を来すこともあります。


より詳細には、こちらの記事も参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/160107-000013-VHULYN
https://medicalnote.jp/contents/160107-000014-RVWQOU
https://medicalnote.jp/contents/150128-000003-QBUXYC
https://medicalnote.jp/contents/150612-000002-FINCIP

検査・診断

レビー小体型認知症は、特徴的な臨床症状から病気の存在が疑われます。またレビー小体型認知症は、実際に症状が出現する前から脳の中で変化が生じていることがわかっています。このことを確認するために、頭部CT、MRIなどを用いて脳萎縮の程度を判断したり、SPECTと呼ばれる検査で脳の血流が低下しているかどうかを判断したりすることになります。レビー小体型認知症では、大脳皮質(特に後頭葉)や脳幹部(特に黒質線条体)の異常が生じやすいことが知られています。SPECT検査を通して、これらの部位への血流が低下していることが確認されます。
さらにレビー小体型認知症では自律神経障害も生じやすく、神経症状が出現する前から画像検査で確認できることがあります。このことを確認するために、心臓の交感神経機能を検査する「MIBG心筋シンチグラフィ検査」というものが行われ、レビー小体型認知症では、病早期より始まる心臓交感神経の低下が確認されます。


より詳細には、こちらの記事も参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/150128-000003-QBUXYC
https://medicalnote.jp/contents/160107-000016-WBFGHX

治療

レビー小体型認知症を根本的に治療する方法は、現在のところ確立されていません。そのため、症状にあわせた支持療法が中心になります。
認知機能の低下に関しては、アルツハイマー型認知症と同様にアリセプトが使用されます。アリセプトは2014年9月に世界で初めてわが国でレビー小体型認知症の治療薬として保険適応になり、世界の注目を集めています。なお、この薬は、認知症だけでなく、幻視や妄想、認知機能の変動にも有効であると考えられています。
また、幻視や妄想といった精神症状には、より特化した抗精神薬が使用されますし、パーキンソン症状に対しては抗パーキンソン薬が使用されます。抑うつ傾向や不眠を訴えることもあるため、抗うつ薬や睡眠導入剤を使用することもあります。
レビー小体型認知症では、本人のみならず周囲の配慮、サポートも必要です。認知機能が低下しそうなときには一人で歩かせずにそばにいたり、幻視を起こしにくいように室内の明るさを統一したりすることも有効です。また、パーキンソン症状では転倒をしやすくなりますので、つまずきやすいものを排除することが必要です。さらに、患者家族の会などの環境サポートもあり、このような場で情報交換を行うことも有効な手段と考えられます。


より詳細には、こちらの記事も参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/150128-000003-QBUXYC
https://medicalnote.jp/contents/160107-000013-VHULYN
https://medicalnote.jp/contents/160107-000014-RVWQOU
https://medicalnote.jp/contents/151117-000020-VAXNMF

レビー小体型認知症の記事を読む

もっとみる

レビー小体型認知症の記事にご協力いただいている医師