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インタビュー

DLB(レビー小体型認知症)とは -「三大認知症」のひとつ

DLB(レビー小体型認知症)とは -「三大認知症」のひとつ
小阪 憲司 先生

横浜市立大学医学部 名誉教授

小阪 憲司 先生

レビー小体型認知症をご存知でしょうか。レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで二番目に多く、第二の認知症と言われており、脳血管性認知症とともに「三大認知症」といわれています。本記事では、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の違いや、治療と介護について述べます。

※本記事は、レビー小体型認知症の発見者である、横浜市立大学医学部名誉教授 小阪 憲司先生にご監修いただいております。

高齢者の認知症にはアルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症脳血管性認知症などが存在し、高齢者の認知症のうち、それぞれ50%、20%、15%をしめます。 レビー小体型認知症とは、アルツハイマー型認知症に次いで多く、脳血管性認知症とともに「三大認知症」といわれています。主に65歳以上の高齢者に多く見られますが、30〜50歳代で発症する場合もあります。また、アルツハイマー型認知症は女性に多く見られますが、レビー小体型認知症は男性に多い傾向があります。 

脳の中に「レビー小体」という円形の物質が多く見られます。レビー小体型認知症の特徴としては、このレビー小体が大脳皮質の広い範囲で認められると、もの忘れなどの認知症の症状が出現し、脳のもっと下の部分に存在する脳幹に現れると、ふるえが起きたり、歩きにくくなるなどのパーキンソン症状が起こります。 

アルツハイマー型認知症では、主にもの忘れや徘徊などの症状が目立ちます。このほか、記憶障害のためにお金や物を人に盗られたのではないかと考えてしまう「物盗られ妄想」といった被害妄想も認知症初期にみられることがあります。一方、レビー小体型認知症では、実際にはないものが見えてしまう幻視が特徴的です。幻視によって見間違いや思い違いが起こり、「夫が見知らぬ女性と仲良くしている」などといった「嫉妬妄想」がみられることもあります。

睡眠中に悪夢により大声で寝言を言ったり、奇声を発し、布団の上で手足をバタバタさせたり、歩き回ったりする「レム睡眠行動障害」といった症状や、頭がはっきりしている時とそうでない時の差が激しいといった認知の変動などを特徴とします。また、歩行などの動作の障害(パーキンソン症状)も多く見られます。さらに、起立性低血圧、頑固な便秘や頻尿などの自律神経症状もみられることが少なくありません。

このように、認知症といっても、もの忘れは早いうちには目立たないことが多く、その症状には違いがあり、認知症ごとの症状のちがいに伴い、適切な介護の方法や周囲の人に望まれる対応も変わってくるため、注意が必要です。 

レビー小体型認知症では、頭の中で情報を伝えている神経伝達物質の一つであるアセチルコリンという物質が、アルツハイマー型認知症以上に少なくなっていることが知られています。そのため、アセチルコリンを頭の中に増やしたり、アセチルコリンをうまく働かせる作用のあるお薬は、レビー小体型認知症により効果的であると考えられています。レビー小体型認知症の薬物治療では、次のような3種類が必要に応じて使われます。 

  1. 注意障害・視覚認知障害などの認知機能障害に対するお薬
  2. 幻視や妄想などの精神症状に対するお薬
  3. パーキンソン症状に対するお薬

お薬を使用する際の注意点として、お薬に対する過敏症が挙げられます。レビー小体型認知症の人は、お薬に敏感に反応することが知られており、様々な副作用が現れたり、通常の服薬量でもお薬が効きすぎたり、症状が悪化したりすることがあります。

また、市販の風邪薬や胃腸薬など、他のお薬との飲み合わせによっては具合が悪くなることもあります。特にレビー小体型認知症では抗精神病薬・抗うつ薬・抗パーキンソン病薬などの服薬に関して、症状が悪化したり、副作用が出たりする恐れがあるため注意が必要です。使用する際は専門の医師に相談するとよいでしょう。

レビー小体型認知症の人の多くに、実際にはないものが見えたり(幻視)、睡眠中の大声の寝言、歩行や動作に支障が出るパーキンソン症状など、アルツハイマー型認知症ではあまり見られない症状が現れます。また、初期にはアルツハイマー型認知症で多く見られる、物忘れなどの記憶障害は目立ちません。レビー小体型認知症ではこの他にもさまざまな症状が現れ、経過に伴い目立つ症状が変化します。ご本人の症状をよく観察し、症状に合わせた対応が必要です。 

レビー小体型認知症の特徴のひとつにパーキンソン症状が挙げられます。パーキンソン症状とは、身体の筋肉や関節が固くなり、思うように身体が動かせなくなる症状のことをいいます。そのため、動作が遅くなったり、小股やすり足で歩くため、何もない場所でもつまづきやすくなります。また、姿勢を保ったり立て直したりする反射機能も衰えるため、転倒しやすくなります。さらに、頭がはっきりしているときとそうでないときの差が激しいため、状態の変化に伴って注意力や集中力が低下し、より転倒の危険が大きくなります。

レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症に比べ、約10倍転倒しやすいといわれています。転倒による骨折がきっかけで寝たきりになる危険もあるので、日頃から転倒しないよう注意することが大切です。 

 

  • 横浜市立大学医学部 名誉教授

    小阪 憲司 先生

    レビー小体型認知症の発見者として世界的に有名な認知症疾患のスペシャリスト。長年、認知症治療や研究の第一線で活躍し、レビー小体型認知症の家族会を開催するなど、家族のサポートにも力を注いできた。「認知症治療には早期発見と早期診断、さらには適切な指導と薬剤選択が欠かせない」とし、現在も全国各地で講演やセミナーなども行い、認知症の啓発活動に努めている。

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