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インタビュー

公開日 : 2016 年 02 月 05 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

近年、レビー小体型認知症に関連があるとされる危険因子がいくつかわかってきています。それに伴い、治療法の研究も進められています。本記事では、レビー小体型認知症の治療法、今後の展望について述べていきます。

※本記事は、レビー小体型認知症の発見者である、横浜市立大学医学部名誉教授 小阪 憲司先生にご監修いただいております。

レビー小体とは

レビー小体とは、α−シヌクレインという線維性のタンパク質が凝集した円形の構造物です。レビー小体型認知症では脳の神経細胞の中に、このレビー小体の蓄積が認められます。これが原因で脳の神経細胞が変性したり、死に至ることによって、パーキンソン症状をはじめとしたレビー小体型認知症でみられる症状が引き起こされると考えられています。レビー小体型認知症のように、特定のタンパク質が脳内に蓄積して脳神経細胞の機能が障害されてしまう病気で代表的なもののひとつに、「プリオン病」が挙げられます。プリオン病の原因となる異常プリオン蛋白には感染性があり、人にうつる可能性がありますが、レビー小体は感染性を持ちません。そのため、このタンパク質が他の人の体内に入ったとしてもうつることはないと考えられています。

レビー小体が脳に蓄積する原因のひとつに遺伝的な要因が挙げられます。レビー小体のもととなるα−シヌクレインに関する遺伝子に何らかの異常があり、健康な方に比べてα−シヌクレインができやすい体質である場合があるのです。しかし、これは一部のケースであり、大部分のケースは遺伝子に何の異常もないのにα−シヌクレインが凝集してしまい、レビー小体型認知症を発症してしまうのです。 現在、このα−シヌクレインの遺伝子にアプローチすることで、脳内のα−シヌクレインを減少させる試みが行われています。今はまだ研究段階ですが、近い将来、病気の進行が阻止される可能性が期待されています。 

レビー小体型認知症の危険因子

アルツハイマー型認知症の危険因子に関しては多くの論文が発表されていますが、レビー小体型認知症の危険因子についての論文はほとんどなく、あまりわかっていないというのが現状です。しかし、現時点でレビー小体型認知症と関連があると考えられている危険因子はいくつか挙げられます。例えば、不安障害歴・うつ病・ストローク歴・低いカフェイン摂取などです。また、パーキンソン病とレビー小体型認知症の危険因子はかなり重なっていると考えられています。

パーキンソン病の危険因子として、レム睡眠行動障害、夜間頻尿、便秘などの自律神経障害、嗅覚の低下、昼間の過度の睡眠などが挙げられますが、レビー小体型認知症においても、レム睡眠行動障害や嗅覚の低下、便秘などを危険因子として加えていく必要性があるのではないかと最近では考えられています。まじめで几帳面な性格もある程度関係があると思われます。レビー小体型認知症の危険因子に関してはまだまだわかっていないことが多く、今後遺伝子に関する研究や疫学調査といった、より大規模で系統的な研究が必要とされています。 

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