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インタビュー

レビー小体型認知症とは?

レビー小体型認知症とは?
藤城 弘樹 先生

かわさき記念病院精神科 副院長

藤城 弘樹 先生

レビー小体型認知症は、60歳以降に多く発症し、進行性の認知機能低下とともに幻視、パーキンソン症状などを起こす疾患で、アルツハイマー型認知症脳血管性認知症前頭側頭型認知症と並んで4大認知症の一つとされています。

「レビー小体」と呼ばれる異常な構造物が脳の「大脳皮質」と呼ばれる部位などの中枢神経系に広くできてしまうことによって起こります。ちなみに、このレビー小体が「脳幹(特に中脳黒質)」と呼ばれる部位に主に出現するとパーキンソン病の原因となります。

徐々に認知機能の低下が進行しますが、初期には記憶障害が目立たないことも多く、「思い出すことはできるが、時間がかかる」といった症状があらわれます。レビー小体型認知症は、以下に説明する「認知機能の動揺」「幻視」「パーキンソン症状」の主要な3症状をもとに診断されます。

  1. 認知機能の動揺・・・話がよく通じるときもあれば、ぼんやりしてうまく話が出来ないときもあります。
  2. 幻視・・・物忘れの程度が軽い頃から、現実には存在しないヒトや小動物が繰り返してあらわれるようになります。
  3. パーキンソン症状・・・表情が乏しく、前傾姿勢となり、歩くのが遅く、小刻みになります。

このタイプの認知症では、3. は軽度であり、年齢相応の姿勢や態度としてみられることも多いため、2. の「幻視が繰り返し出現すること」が特徴的な症状として重要です。

そのほか、

  • レム睡眠行動障害(夜間睡眠時に大声を上げる)
  • 繰り返す転倒
  • 失神
  • 妄想
  • 自律神経症状(頑固な便秘や立ちくらみなど)
  • 抑うつ(意欲低下が目立つ)
  • 不安
  • 嗅覚障害(匂いが鈍くなる)
  • 日中の眠気

などの症状が見られます。

レビー小体型認知症の検査では、CT、MRIなどを用いて脳萎縮の程度を判断したり、脳血流SPECTやドパミントランスポーターシンチグラフィなどといった画像検査を行うことで、脳機能を評価したりすることができます。自律神経障害の症状がみられることから、MIBG心筋シンチグラフィという検査で心臓交感神経(自律神経を司っている神経)がどの程度障害されているかを評価することも診断の確定につながります。

また、認知機能検査も診断に有効です。われわれ医師は、診察で患者さんの実際の様子を確認するとともに、これらの検査を行うことで、脳・あるいは全身に生じている変化を把握し、治療方針の決定や介護に役立てています。

レビー小体型認知症を根本的に治す方法は未だなく、症状に対する治療(対症療法)が中心となります。
ただし、とくにレビー小体型認知症の患者さんは抗精神病薬に対して過敏に反応して、症状が悪化することもあるため、薬物治療は慎重に行う必要があります。非薬物治療を充分に実施した上で、以下のような薬を使って治療していきます。

  1. コリンエステラーゼ阻害薬、NMDA受容体拮抗薬・・・認知機能障害、認知症周辺症状に対するお薬です。
  2. 抑肝散(漢方薬)や抗精神病薬・・・認知症周辺症状に対するお薬です。
  3. L-dopa(レポドパ)・・・パーキンソン症状に対するお薬です。

また、レビー小体型認知症は睡眠障害を伴うことも少なくありません。出来る限り規則正しい生活習慣を心がけることを患者さんに指導しますが、それでも睡眠障害が治らない場合は睡眠薬を追加で処方することもあります。

レビー小体型認知症では、うつの症状もあり、幻視などの特異な症状も現れることから、発症初期に不安が強くなってしまうものです。どのような疾患であるかを理解するだけでも、患者さんご自身と介護に当たる方の心理的負担は軽減されるのではないでしょうか。ぜひ早期に医療機関を受診し、適切な診断を受けていただきたいと思います。

記事1:レビー小体型認知症とは?
記事2:レム睡眠行動障害とは?

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